夏目漱石『草枕』登場人物まとめ

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『草枕』は夢幻能に見立てられた世界なので死者も大事です。
詳しくは「謎解き草枕」をお読みください。

画工 
「非人情」を気取っているけれど、東京に居ては画工えかきになりきれない、
と自信が持てない30

志保田那美 
那古井温泉を仕切る若い女将 城下の金持ちと結婚したが、夫の勤める銀行が倒産、離婚して実家に戻ってきた。村の人々に「不人情な女」と噂されるが、気丈にふるまう美人 20代半ば

水死したシテ

長良の乙女 
村の伝説の美しい長者の娘 二人の男に求愛され選べずに、淵川へ身を投げて死ぬ
オフェリヤ 
ハムレットの恋人、急に尼寺に行けと言われ、小川を流れて死ぬ
鏡が池の嬢様 
那美の先祖で庄屋しょうやの娘 虚無僧こむそうに恋をするが、親に結婚を許してもらえず、池に身を投げて死ぬ

物語の語り手

茶店の婆さん  
昔は志保田家で働いていた「長良の乙女」語り手
床屋の親方  
髪結い床の親方「ハムレットのパロディ」語り手
馬子の源兵衛  
志保田家の使用人「鏡が池伝説」語り手

観海寺のお坊さん

大徹和尚 
でっぷりと太って、間の抜けたところもあるが、時々凄いことを言う
泰安 
下っ端の僧侶、苦みばしったいい男、那美に恋文を書
了念 
気楽な小坊主、生意気な口をきくが、たいてい大徹和尚の受け売り

那美に関わる人達

那古井温泉の主
那美の父 骨董を集めるのが趣味 
久一さん  
那美の従弟 趣味で絵を描く 召集されてもうすぐ戦地に行く  20代半ば
野武士のような男
那美の元夫。城下の金持ちだったが、勤め先の銀行が倒産して、那美と離婚

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「謎解き草枕」目次

【概要】夏目漱石『草枕』の解説。冒頭文に隠された主題は、「智・情・意」と文芸。
「夢幻能」に見立てられた物語、画工と那美の「芝居合」を丁寧に読み解き、
誰も語らない複雑な『草枕』の構造と、漱石の『文芸の哲学的基礎』との関係を明らかにします。

謎解き『草枕』その1

  • 『草枕』は文系ミステリーである
  • 「非人情」な男と「不人情」な女
  • 「詩画は不一にして両様なり」
  • 芭蕉に導かれて
  • シテは誰?「雅俗混淆な夢」
  • 「風流な土座衛門」
  • 「憐れ」を求めていにしえ
  • 「竹影階払塵不動」

謎解き『草枕』その2ー「人情」対決

  • 「人情」に耽る画工
  • ゆれる椿

謎解き『草枕』その3ー「非人情」対決

  • 「見境の無い女」
  • 「機鋒の鋭い女」
  • 「生か、死か、それが問題だ」
  • 風が吹いても
  • 「あなたと私とは違いますもの」

謎解き『草枕』その4ー「不人情」対決

  • 那美さん全裸になる!
  • サロメのように! 

謎解き『草枕』その5ー「三と四」

  • 『文芸の哲学的基礎』
  • 三角か?四角か?
  • 藤村操の死
  • 天狗岩を省みる
  • 四度の「難有う」
  • 画工と那美

謎解き『草枕』その6

  • 「それだ!それだ!それが出れば」
  • 「智・情・意」三部作

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