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夏目漱石

夏目漱石『草枕』全ての謎と物語の構造を解く「謎解き草枕」その1

冒頭文に隠された主題「智・情・意と芸術」夢幻能に見立てられた物語、画工と那美の芝居合戦を丁寧に読み解き、誰も語らない複雑な『草枕』の筋と構造を明らかにする全6回のシリーズです。
ヘルマン・ヘッセ

ヘッセ『車輪の下』解説|ハンス×ハイルナー、抑圧なんかに負けないために

「詩人になるか、でなければ、何にもなりたくない」そう思った少年の日。牧師の道が当然とされ、重くのしかかる周囲の期待。父親、親戚、故郷の人々、校長や先生たち。これは、ヘッセの自伝的な青春の苦悩の物語である。感受性と反抗心、大人へ旅立つ不安な思いに満ちた思春期の回想。
ヘルマン・ヘッセ

ヘッセ『少年の日の思い出』解説|汚れちまった思い出を人は抱えて生きている

蝶に夢中になったあの頃の熱情。憧れが、抑えきれない欲望となり、衝動的に盗みをはたらく。我に返るがそれは壊れて修復不能になり、大きな心の傷となる。最高の美しさが、脆く、粉々に消えた。自分を罰し全てを葬り去ったひと夏の夜。話を聞く私はどう思ったのか。
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ウィリアム・フォークナー

フォークナー『八月の光』解説|熱狂と偏見のなかで、人はいかに振舞うか

アメリカ南部ミシシッピ州。南北戦争の壊滅的な敗北と奴隷制の崩壊がもたらしたもの。それは解決ではなくさらなる錯綜だった。架空の土地ヨクナパトーファ郡ジェファソンを舞台に、過去と現在がぶつかりあう。なぜ、その題名は『八月の光』なのか、を考える。
カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロ『クララとお日さま』解説|人間の魂は、ロボットに複製できるのか

AGI(Artificial General Intelligence)―人間と同じ知的作業をできる頭脳を搭載したロボットの時代がそこまで来ているという。では人間と同じ性格や個性を複製できるのか。心や愛という問題はどうなるのか。「人間とは何か」を問う。
ドストエフスキー

ドストエフスキー『罪と罰』全体テーマ|人間の心では、神と悪魔が闘っている

人間のつくった罪刑法定主義としての「罪と罰」そして、もうひとつ神の真理としての「罪と罰」。「非凡人は、よりよき人間の未来のためには、人を殺しても構わない」という選民思想のナポレオン主義の哲学をうちたてたラスコーリニコフ。魂を殺した彼は甦ることができるのか。
フランツ・カフカ

カフカ『変身』解説|不条理は日常のなかにあり、不条理の連続が生である。

人間の実存は、自己の心身において、さらには社会の関係性において在る。そこには、チェコ・プラハに生まれ育ったユダヤ人カフカがいて、父子の関係があり、その前提として、故郷を失くした子孫であり、よそ者であり、成り上がり者であり、歓迎されない民族としての謂われなき不条理の意識があるのかもしれない。
村上春樹

村上春樹『品川猿』解説|名前を盗む猿と、人間の心の闇

人間の言葉をしゃべる猿は、なぜ名前を盗むのか、そのことは何を意味するのか?ユーモア溢れる登場人物たちの会話のなかに人間の心の闇とせつない猿の片思いが浮かび上がる、そんなセラピーな物語。
芥川龍之介

芥川龍之介『神神の微笑』解説|「破戒する力」ではなく「造り変える力」

大国の仲間入りをした明治の日本。キリスト教社会の文化と日本の記紀神話や先祖崇拝の文化との戦いが構図が現れます。芥川はその先の日本と西洋の衝突を予知していたのでしょうか。日本とは何か、日本人とは何か。これは大正期に著された芥川の日本文化論です。
安部公房

安部公房『壁‐S・カルマ氏の犯罪』解説|実存の不安からの脱出!空っぽの心が求めるものは?

名前に逃げられた男が職場で存在権を失くす。空虚感から砂漠の挿絵を吸引する。その行為で周囲から裁かれ、男は逃げ出す。やがて世界の果である自分の部屋の中で心の中に壁をつくり育てていく。不条理で、諧謔で、シュールな世界。これは何を伝えているのか?
宮沢賢治

宮沢賢治『よだかの星』解説|理想を追い求め、自ら星となり輝く!

弱肉強食の残酷な世界、鷹は食物連鎖の頂点で力が強く、それに比べて、よだかは不細工で醜くて弱く皆に疎まれる。そんな自分も毎日、虫の命を奪っていることに悲しい気持ちになり、夜空の星になろうと決心します。それは宮沢賢治が目指した心象の理想郷。
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