川端康成

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川端康成『白い花/掌の小説』あらすじ|死を見つめる、桃色の生。

解説>一族は肺病で死んでいく。かよわい彼女は死だけを見つめ艶めかしく、ひとときの時間も連続も信じない。肺療院に送られ、二人の男に愛される。医者に身体を治され、そして小説家に心を癒される。しかし彼女は二人を避け、一人孤独に死を思う。真に求められれば、肉体と魂を捧げるのにと彼女は思うのだった。
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川端康成『笑わぬ男/掌の小説』あらすじ|妻の微笑は、仮面の微笑みか。

解説>十六歳で訪れた最後の肉親である祖父の死。通夜に青い人玉が飛び立ち、焼き場で骨を拾う。燃え屑の温気が強く、いやな臭いがする。生と死。とうとう一人になった私のことを、村人たちは好奇心をまじえ同情する。悲しむのは私だけだろう。そうして今、五十一歳になる私はまだ生きている。
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川端康成『骨拾い/掌の小説』あらすじ|冷徹な眼が、虚無を見る。

解説>十六歳で訪れた最後の肉親である祖父の死。通夜に青い人玉が飛び立ち、焼き場で骨を拾う。燃え屑の温気が強く、いやな臭いがする。生と死。とうとう一人になった私のことを、村人たちは好奇心をまじえ同情する。悲しむのは私だけだろう。そうして今、五十一歳になる私はまだ生きている。
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川端康成『禽獣』あらすじ|女の生態を、犬に重ね見る幻覚。

解説>四十歳になる人間嫌いの彼は、幾数種の鳥の番の睦まじさを観察したり、飼育する犬の出産を助け純血主義を美しく思う。彼は、犬の顔に心中未遂した千花子の顔を重ね合わせる。それは、生きかつ死へと向かうときの生命の明かりと、虚無の世界であった。
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川端康成『有難う/掌の小説』あらすじ|悲しみの往路と、幸せの復路。

解説>下田から北の町へ、秋の天城峠を行く乗合自動車の運転手「有難うさん」。追い越す時、いつも礼儀正しく“ありがとう”と挨拶する。ある日、娘を売りに行く親子を乗せる。悲しみに揺られながら娘は、運転手に恋をする。そして、一夜が明け春まで家で過ごすことになる。
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川端康成『化粧/掌の小説』あらすじ|窓から見る、女性の本性。

解説>斎場の厠と向き合う我が家の窓から女性の化粧する姿が見える。死を弔い終え、厠の鏡で平然と化粧をする喪服の女たち。それは、屍を舐める血の唇の印象を与える。そこに肩をふるわせ涙しながら十七八歳の少女がやって来るが、さらに不可解な出来事を目撃する。
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川端康成『雪国』あらすじ|男女の哀愁と、無に帰す世界。

解説>親譲りの財産で無為徒食の生活をする妻子ある島村は、雪国の温泉町で駒子と出会い、その一途な生き方に惹かれる。一方で、献身的に尽くす葉子の儚い美しさを知る。怜悧で虚無な島村の心の鏡に映る、駒子の情熱と葉子の透明さを哀しく美しい抒情で描く。
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川端康成『雨傘/掌の小説』あらすじ|傘が結ぶ、初恋の思い出。

解説>父親の転任で離ればなれになる二人は記念写真を撮りに行く。恥ずかしがり屋の少年と素直で活発な少女。霧のような春雨のなか、行きは、恥じらう二人の距離が、帰りは、ひとつになる。少年の優しさを少女が受け入れる、雨傘が結んだ淡い初恋の思い出。
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川端康成『日向/掌の小説』あらすじ|初恋の想いと、秋の日向。

解説>人の顔をじろじろ見る癖に自己嫌悪する私は、孤児ゆえ相手の顔色をうかがうと思っていたが、実は盲目の祖父の顔をずっと見ていたことが理由だと気づく。祖父はいつも明るい南の方を向いていた。いま私は恋人と、祖父の思い出と一緒に日向を歩きたい。
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川端康成『バッタと鈴虫/掌の小説』あらすじ|少年の知慧と、青年の感傷。

解説>叢で虫を探す子供たちの一人、不二夫。五色の提燈の灯のなか、鈴虫を手渡され眼を輝かせるキヨ子。少年時代の少女へ憧れと会心の微笑み、やがて大人になり現実の中で心傷き、叢の提灯が映しだした名前の美しさに気づくことの難しさを語る。
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