川端康成

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川端康成『眠れる美女』解説|老境の性と、魔界に落ちる瞬間。

江口老人は海辺の岸壁にある秘密の娼家を訪れる。そこはけっして眼を覚ますことのない裸の処女の娘と一夜を添い寝し悦楽にひたる「眠れる美女」の家だった。日本の叙情を美しく描く川端文学には、新感覚派と呼ばれ前衛的な幻想を描くもうひとつの世界がある。
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川端康成『白い花/掌の小説』あらすじ|死を見つめる、桃色の生。

肺病の従弟に恋を打ち明けられ付き合い、伝染して療養する女を描いた『白い花』のあらすじと解説。回復した彼女に恋をする医者と作家。しかし触れられない彼女の白い肌に「桃色」を思う、生も死も血潮の果てにあると信じる女性の熱き思いを読む。
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川端康成『笑わぬ男/掌の小説』あらすじ|妻の微笑みは、仮面の微笑みか。

芸術と現実は異なる。そんな苦い気分を味わう『笑わぬ男』のあらすじと解説。脳病院の現実を描いた映画で、最後は空想で美しい仮面を被らせて終わった。入院している妻が、子供のためにその面を被ったが、能面を外すとみじめな人生の顔が現れた。
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川端康成『骨拾い/掌の小説』あらすじ|冷徹な眼が、虚無を見る。

十六歳で訪れた、最後の肉親の祖父の死を描いた『骨拾い』のあらすじと解説。青い人玉が飛び立ち、焼き場で骨を拾う。燃え屑の温気が強く、いやな臭いがする。生と死。とうとう一人になった私を、もうひとりの私が怜悧に見つめ、孤独な姿を感じる。
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川端康成『禽獣』あらすじ|女の生態を、犬に重ね見る幻覚。

犬の顔に、心中未遂した若い頃の娼婦の千花子の顔を重ね合わせる。川端の『禽獣』のあらすじと解説。四十歳になる人間嫌いの彼は、純血主義を美しく思う。彼は、やがて生きかつ死へと向かう生命の明かりと、虚無の世界が交差する厭世的な美を好む。
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川端康成『有難う/掌の小説』解説|悲しみの往路と、幸せの復路。

娘を売りに行く親子を乗せる運転手「有難うさん」。川端康成『有難う』のあらすじと解説。悲しみに揺られながら娘は、運転手に恋をする。そして、一夜が明け、春までは家で過ごすことになる。秋の天城峠の乗合自動車の往復の物語に “ありがとう”。
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川端康成『化粧/掌の小説』解説|窓から見える、女の魔性。

斎場で化粧する女性の姿が窓から見える。死を弔い終え、厠の鏡で平然と化粧する喪服の女たち。川端の『化粧』のあらすじと解説。屍を舐める血の唇の印象に怯えていると、その時、涙しながらやってきた十七、八歳の少女の仕草を目撃し、私はさらに驚く。
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川端康成『雪国』あらすじ|恋情と哀愁、そして無に帰す世界。

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。名作『雪国』のあらすじを読み解説する。駒子の情熱と、葉子の透明さが天の河に浮かび上がる。悲しく美しい抒情で描く、川端文学の最高峰。雪国の自然のなか、無に帰してしまう人の世の儚さ。
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川端康成『雨傘/掌の小説』解説|傘が結ぶ、初恋の思い出。

離ればなれになる二人は記念写真を撮りに行く。ひとつの傘に確かめ合えたお互いの心、そんな『雨傘』のあらすじを読み主題を解説。帰りは二人の距離がなくなり、ひとつになる。少年の優しさを少女が受け入れる。触れる手に、傘が結んだ、淡い初恋の思い出。
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川端康成『日向/掌の小説』解説|初恋と祖父の思い出。

初恋の安らぎを描く『日向』のあらすじと解説。孤児ゆえに相手の顔色をうかがう癖があると思っていたが、それは盲目の祖父の顔を見ていたからと気づく。そして今、妻となる女性と日向を歩く思いを描く。相手を思いやる恋人の話に、優しくなれた私。
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