夏目漱石

夏目漱石『草枕』全ての謎と物語の構造を解く!謎解き『草枕』その1

冒頭文に隠された主題「智・情・意」と文芸、夢幻能に見立てられた物語、画工と那美の芝居合戦を丁寧に読み解き、誰も語らない複雑な『草枕』の筋と構造を明らかにする全6回のシリーズです。
芥川龍之介

芥川龍之介『おぎん』解説|みんな悪魔にさらわれましょう

芥川は切支丹物という作品を残している。キリシタン弾圧と棄教がテーマの『おぎん』を解説してみる。おぎんの実父母への愛から、天国に行くことを断念し、地獄のへ落ちる孝道物語のようだが、実は異なり、真実はおぎんの生きる<逞しさ>と<知恵>の話なのだ。
川端康成

川端康成『眠れる美女』解説|老境の性と、魔界に落ちる瞬間。

江口老人は海辺の岸壁にある秘密の娼家を訪れる。そこはけっして眼を覚ますことのない裸の処女の娘と一夜を添い寝し悦楽にひたる「眠れる美女」の家だった。日本の叙情を美しく描く川端文学には、新感覚派と呼ばれ前衛的な幻想を描くもうひとつの世界がある。
トルーマン・カポーティ

カポーティ『ティファニーで朝食を』解説|自由を追い求める、ホリーという生き方。

ホリーという自由奔放に生きていく女性ーカポーティの原作『ティファニーで朝食を』は、共産主義を意識した「いやな赤」や束縛からの絶対の自由である。そこに資本主義の象徴としてティファニーがある。隷属を嫌い安住を求め大空を羽ばたく野生の女性の物語。
ジョン・アーヴィング

ジョン・アーヴィング『ガープの世界』解説|死のその時まで、ひたむきに命を生きる。

不思議な方法でこの世界に現われたT・S・ガープ。ガープの観る世界には、暴力や暗殺や強姦など目を覆う出来事と苦しく複雑な人生を負った人々がいる。愛、不義、確執、狂気、敵対、そして次々に訪れる死。作家の眼で人生の悲劇を喜劇として物語る『ガープの世界』。
正宗白鳥

正宗白鳥『塵埃』解説|此処ではない何処かを探す、不確かな自己。

今から百年以上前に正宗白鳥の『塵埃』という短編がある。リアリズムの手法に倦怠や厭世、ニヒリズムが漂う。日本のあちらこちらで見られる会社人の仕事場や居酒屋での社交が “時代を生きる視点” で描かれ、明治と現代を比較して読むと興味深く楽しめる。
正宗白鳥

正宗白鳥『何処へ』解説|ニヒリズムに酔う、寄る辺なき我が身。

求道的ゆえに絶対の真理を模索しながらも、不確かな現実に懐疑的な態度で生きるニヒリズムを描く政宗白鳥の『何処へ』。細やかな人物と情景のリアリズムのなかで、百年前の明治と令和に生きる人々の情動を比べ、自我に煩悶する日本人の姿を訪ねる。
浅田次郎

浅田次郎『鉄道員』解説|人々の暮らしを支える、乙松のぽっぽやの人生。

天職を全うした ”ぽっぽや” 乙松は、鉄道一筋の人生だった。なぜ妻の最期も、娘の最期も、看取ってやることができなかったのか?なぜ三人の雪子が乙松の前に現れたのか?人々の生活を支える鉄道員の仕事に人生を捧げた一人の男の生きざまを描く。
村上春樹

村上春樹『眠り』解説|抑制された自己を逃れ、死の暗闇を彷徨う。

眠れなくなってもう十七日めになる、「私」は、死は暗闇での覚醒状態だと考える。ズレていく日常から自我が剥き出しになる村上春樹『眠り』のあらすじと解説。人間は利己本位の生き方を忘れ去ることはできない。近代人は永遠に実存に悩み続けるのである。
夏目漱石

『草枕』と『三四郎』は兄妹!夏目漱石の遊び心と洒落っ気

夏目漱石『草枕』と『三四郎』は兄妹であり、逆さま世界。両作品の生みの親は、夏目漱石『文芸の哲学的基礎』です。どこが似ていて、どんな風に逆さまなのか?漱石先生の遊び心を数えてみましょう。
カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』解説|残酷な運命を生きる、魂の輝き。

クローンとして生を受けた人間たちは、もうひとつのパラレルワールドを生きた。その奇妙で不思議だった日々の謎が徐々に明らかになる。『わたしを離さないで』のあらすじと解説。その残酷な運命のなか、揺れ動く情動を静謐の中に描き、「人間とは何か」を問う。
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