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村上春樹

村上春樹『風の歌を聴け』解説|言葉に絶望した人の、自己療養の試み。

政治の季節だった1969年、団塊の世代が青年の頃。故郷で再会した「僕」と「鼠」の二人、恋人を失った傷心のひと夏の出来事。デタッチメントな生き方はこの作品から始まる。村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』のあらすじと解説。鼠三部作の第一弾。
夏目漱石

夏目漱石『こころ』解説|自由と孤独の時代をいかに生きていくか

自由や自我の追求が、心の内の自己本位や独占欲を曝け出す『こころ』のあらすじを読み主題を解説する。人は恋や財産、友情など物我の試練にあい騙され、人間不信に陥り厭世的に生きていく。<K>との出来事を語る<先生>の遺書を、<私>はいかに捉えたのか。
安部公房

安部公房『箱男』あらすじ|匿名と贋者が、交錯する社会。

人間の匿名性と覗き願望を描く『箱男』のあらすじと主題を解説。箱男とは何者で、なぜ箱男に憧れていくのか?社会の登録を逃れ、都市を彷徨う箱男たち。帰属を捨て存在を放棄し、見て/見られ、覗いて/覗かれることに、貴方も箱男になることを誘惑される。
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安部公房

安部公房『砂の女』解説|逃げたい男 vs. 巣ごもり女

不条理な日常を逃れ昆虫採集に出た教師が閉じ込められる『砂の女』のあらすじと解説。そこでは一人の女が男を穴にひきとめようとする。逃れたい男と、巣ごもりする女。男がやがて流動する砂の閉塞のなか、新たな生き方を見つけるまでの心理変容を明かす。
田山花袋

田山花袋『蒲団』解説| 中年男の劣情を、正直に告白します。

明治の女性の自我の開放という自由な気風のなかで、中年男のキモイ恋の妄想の告白が人々に衝撃をあたえた。現実を赤裸々に描く新しい手法が、その後の私小説の方向性を決める。日本の自然主義文学を代表する田山花袋の『蒲団』のあらすじと解説。
小林多喜二

小林多喜二『蟹工船』あらすじ|地獄の虐使に、決起する人々。

「おい地獄さ行ぐんだで!」の冒頭で有名な『蟹工船』のあらすじと解説。人権を剥奪され、虐使される人々の非人間的な生活。苦悩の連続から未組織労働者のストライキ発生までの、オホーツク海の荒涼たる漁場での死闘を描くプロレタリア文学の傑作。
小津安二郎

小津安二郎『東京物語』解説|変わる家族の形と、恒常なる日本人の心。

老夫婦が上京するが血を分けた実の子供たちは忙しく、戦死した次男の嫁だけが優しい。尾道に帰ると、とみが亡くなる。周吉は紀子に感謝し、縁を断ち再婚を薦める。戦後の目まぐるしい変遷の中、崩れゆく家族の形と恒常性に生きる日本人の姿を描いた名作を解説。
坂口安吾

坂口安吾『夜長姫と耳男』あらすじ|好きなものは、呪うか殺すか争うか。

芸術も恋愛も、好きなら呪うか殺すか競うしかないという『夜長姫と耳男』のあらすじと解説。残酷で無邪気な美しい夜長姫。護身仏を造る若き匠の耳男は、姫が次々に村人を殺すのを怖れ、遂に姫の胸を刺し殺す。妖しい魔性に憑りつかれた仏師の運命を追う。
坂口安吾

坂口安吾『桜の森の満開の下』解説|妖しい魔性に憑りつかれ、絶対の孤独に墜ちていく

静寂と透明感のなかに狂気や血塗られた記憶が閉じ込められている『桜の森の満開の下』の主題を解説。それは美しくエゴイズムなものに翻弄されていく、男と女の業を鬼気迫りながら追う。そして一人残された男は、桜の花に埋もれ絶対の孤独の淵に佇む。
江戸川乱歩

江戸川乱歩『屋根裏の散歩者』あらすじ|節穴から覗く、完全犯罪。

江戸川乱歩の名作『屋根裏の散歩者』のあらすじを読み主題を解説。犯罪嗜好癖の強い下宿人が、天井に上り屋根裏を歩きながら、完全犯罪のトリックを計画し自信たっぷりに実行する。そこに現れたご存知、明智小五郎が些細な事実を繋ぎ合わせ謎を解き明かす。
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