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江戸川乱歩

江戸川乱歩『押し絵と旅する男』あらすじ|絵の中の恋は、時空を越えた。

押し絵の中の人物が動く。不思議な乱歩の『押し絵と旅する男』のあらすじと解説。男が恋焦がれた女性は、額のなかの押絵細工だった。男は額に入り自らも押し絵となり、弟は仲睦ましい押し絵の二人と旅をする。それはまるで蜃気楼に漂う幻想のような世界。
坂口安吾

坂口安吾『白痴』解説|肉体と本能のなかに、失った魂を呼び戻す

空爆が続き世間は崩壊し無秩序になる。希望のない卑小な暮らしのなかで、白痴の女と関係を持つ。戦争の狂気と破壊という運命に晒されることで、肉体と本能の魂を呼び起こす。堕ちて生きてこそ、人間性の回復がある。
川端康成

川端康成『禽獣』あらすじ|女の生態を、犬に重ね見る幻覚。

犬の顔に、心中未遂した若い頃の娼婦の千花子の顔を重ね合わせる。川端の『禽獣』のあらすじと解説。四十歳になる人間嫌いの彼は、純血主義を美しく思う。彼は、やがて生きかつ死へと向かう生命の明かりと、虚無の世界が交差する厭世的な美を好む。
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江戸川乱歩

江戸川乱歩『二銭銅貨』あらすじ|南無阿弥陀仏、その暗号を解く。

日本で最初の推理小説、江戸川乱歩のデビュー作『二銭銅貨』を楽しむ。紳士泥坊がまんまと盗み、どこかに隠した消えた大金。二銭銅貨の中の紙片に綴られた南無阿弥陀仏の謎の暗号を解く。すべての謎解きを解説しながら仕掛けた悪戯なトリックが2倍に面白い傑作。
宮沢賢治

宮沢賢治『どんぐりと山猫』あらすじ|「ばか」が、いちばん「えらい」。

エゴな大衆への説得の方法を教えてくれる『どんぐりと山猫』のあらすじを読み主題を解説。自分こそが一番と喧しい利己主義に満ちたこの世界で、自然を愛する一郎の説く方法とは何なのか?一郎はたった1分半で解決します。さてさて、どういうことなのでしょう?
宮沢賢治

宮沢賢治『注文の多い料理店』あらすじ|動物を食べるなら、人間も食べられる!

動物が食べられるのなら、人間だって食べられる!『注文の多い料理店』のあらすじを読み主題を解説。それは人間だけは許されると考える利己主義を自然が懲らしめる。西洋料理店<山猫軒>を男が二人訪れる。そこは注文の多い料理店。この先は一体、どうなる?
三島由紀夫

三島由紀夫『憂国』あらすじ|大儀に殉ずる、美とエロティシズムと死。

もっとも三島らしい一作と本人が言う『憂国』のあらすじを読み解説します。歴史を掘り起こしながら、大義に殉じた2・26事件の青年将校たちの誠を最後の武士道の精神として伝える。様式美としての完璧な切腹を作法を細やかに描き、日本人の尊厳を示す。
三島由紀夫

三島由紀夫『金閣寺』解説|認識か行為か、文武両道を生きた三島という虚像

溝口は何故、金閣寺を焼こうとしたのか?最上階「究竟頂」は、何故、溝口を拒絶したのか?金閣の美に憑りつかれ、呪詛の中で金閣を放火し自らも死のうと試みる。三島の生きた戦中・戦後を哲学・思想としてまとめ、最後に生きる決心をする謎を解く。
三島由紀夫

三島由紀夫『仮面の告白』解説|仮面による告白は、真実か虚偽か

二十四歳の本格的なデビュー作で自身を生体解剖してみせた性的倒錯の世界。それは三島由紀夫という仮面の告白の始まりだったのか。そして二十年後に憂国の烈士としてその益荒男ぶりを戦後の日本に突きつけて自刃した。 その相手は、仮面はおろか素面すらも失くした顔無しの日本だった。
川端康成

川端康成『有難う/掌の小説』解説|悲しみの往路と、幸せの復路。

娘を売りに行く親子を乗せる運転手「有難うさん」。川端康成『有難う』のあらすじと解説。悲しみに揺られながら娘は、運転手に恋をする。そして、一夜が明け、春までは家で過ごすことになる。秋の天城峠の乗合自動車の往復の物語に “ありがとう”。
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