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田山花袋

田山花袋『蒲団』解説| 中年男の劣情を、正直に告白します。

明治の女性の自我の開放という自由な気風のなかで、中年男のキモイ恋の妄想の告白が人々に衝撃をあたえた。現実を赤裸々に描く新しい手法が、その後の私小説の方向性を決める。日本の自然主義文学を代表する田山花袋の『蒲団』のあらすじと解説。
小林多喜二

小林多喜二『蟹工船』あらすじ|地獄の虐使に、決起する人々。

「おい地獄さ行ぐんだで!」の冒頭で有名な『蟹工船』のあらすじと解説。人権を剥奪され、虐使される人々の非人間的な生活。苦悩の連続から未組織労働者のストライキ発生までの、オホーツク海の荒涼たる漁場での死闘を描くプロレタリア文学の傑作。
小津安二郎

小津安二郎『東京物語』解説|変わる家族の形と、恒常なる日本人の心。

老夫婦が上京するが血を分けた実の子供たちは忙しく、戦死した次男の嫁だけが優しい。尾道に帰ると、とみが亡くなる。周吉は紀子に感謝し、縁を断ち再婚を薦める。戦後の目まぐるしい変遷の中、崩れゆく家族の形と恒常性に生きる日本人の姿を描いた名作を解説。
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坂口安吾

坂口安吾『夜長姫と耳男』あらすじ|好きなものは、呪うか殺すか争うか。

芸術も恋愛も、好きなら呪うか殺すか競うしかないという『夜長姫と耳男』のあらすじと解説。残酷で無邪気な美しい夜長姫。護身仏を造る若き匠の耳男は、姫が次々に村人を殺すのを怖れ、遂に姫の胸を刺し殺す。妖しい魔性に憑りつかれた仏師の運命を追う。
坂口安吾

坂口安吾『桜の森の満開の下』解説|妖しい魔性に憑りつかれ、絶対の孤独に墜ちていく

静寂と透明感のなかに狂気や血塗られた記憶が閉じ込められている『桜の森の満開の下』の主題を解説。それは美しくエゴイズムなものに翻弄されていく、男と女の業を鬼気迫りながら追う。そして一人残された男は、桜の花に埋もれ絶対の孤独の淵に佇む。
江戸川乱歩

江戸川乱歩『屋根裏の散歩者』あらすじ|節穴から覗く、完全犯罪。

江戸川乱歩の名作『屋根裏の散歩者』のあらすじを読み主題を解説。犯罪嗜好癖の強い下宿人が、天井に上り屋根裏を歩きながら、完全犯罪のトリックを計画し自信たっぷりに実行する。そこに現れたご存知、明智小五郎が些細な事実を繋ぎ合わせ謎を解き明かす。
江戸川乱歩

江戸川乱歩『押し絵と旅する男』あらすじ|絵の中の恋は、時空を越えた。

押し絵の中の人物が動く。不思議な乱歩の『押し絵と旅する男』のあらすじと解説。男が恋焦がれた女性は、額のなかの押絵細工だった。男は額に入り自らも押し絵となり、弟は仲睦ましい押し絵の二人と旅をする。それはまるで蜃気楼に漂う幻想のような世界。
坂口安吾

坂口安吾『白痴』解説|肉体と本能のなかに、失った魂を呼び戻す

空爆が続き世間は崩壊し無秩序になる。希望のない卑小な暮らしのなかで、白痴の女と関係を持つ。戦争の狂気と破壊という運命に晒されることで、肉体と本能の魂を呼び起こす。堕ちて生きてこそ、人間性の回復がある。
川端康成

川端康成『禽獣』あらすじ|女の生態を、犬に重ね見る幻覚。

犬の顔に、心中未遂した若い頃の娼婦の千花子の顔を重ね合わせる。川端の『禽獣』のあらすじと解説。四十歳になる人間嫌いの彼は、純血主義を美しく思う。彼は、やがて生きかつ死へと向かう生命の明かりと、虚無の世界が交差する厭世的な美を好む。
江戸川乱歩

江戸川乱歩『二銭銅貨』あらすじ|南無阿弥陀仏、その暗号を解く。

日本で最初の推理小説、江戸川乱歩のデビュー作『二銭銅貨』を楽しむ。紳士泥坊がまんまと盗み、どこかに隠した消えた大金。二銭銅貨の中の紙片に綴られた南無阿弥陀仏の謎の暗号を解く。すべての謎解きを解説しながら仕掛けた悪戯なトリックが2倍に面白い傑作。
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