スポンサーリンク
三島由紀夫

三島由紀夫『憂国』あらすじ|大儀に殉ずる、美とエロティシズムと死。

もっとも三島らしい一作と本人が言う『憂国』のあらすじを読み解説します。歴史を掘り起こしながら、大義に殉じた2・26事件の青年将校たちの誠を最後の武士道の精神として伝える。様式美としての完璧な切腹を作法を細やかに描き、日本人の尊厳を示す。
三島由紀夫

三島由紀夫『金閣寺』解説|認識か行為か、文武両道を生きた三島という虚像

溝口は何故、金閣寺を焼こうとしたのか?最上階「究竟頂」は、何故、溝口を拒絶したのか?金閣の美に憑りつかれ、呪詛の中で金閣を放火し自らも死のうと試みる。三島の生きた戦中・戦後を哲学・思想としてまとめ、最後に生きる決心をする謎を解く。
三島由紀夫

三島由紀夫『仮面の告白』解説|仮面による告白は、真実か虚偽か

二十四歳の本格的なデビュー作で自身を生体解剖してみせた性的倒錯の世界。それは三島由紀夫という仮面の告白の始まりだったのか。そして二十年後に憂国の烈士としてその益荒男ぶりを戦後の日本に突きつけて自刃した。 その相手は、仮面はおろか素面すらも失くした顔無しの日本だった。
スポンサーリンク
川端康成

川端康成『有難う/掌の小説』解説|悲しみの往路と、幸せの復路。

娘を売りに行く親子を乗せる運転手「有難うさん」。川端康成『有難う』のあらすじと解説。悲しみに揺られながら娘は、運転手に恋をする。そして、一夜が明け、春までは家で過ごすことになる。秋の天城峠の乗合自動車の往復の物語に “ありがとう”。
川端康成

川端康成『化粧/掌の小説』解説|窓から見える、女の魔性。

斎場で化粧する女性の姿が窓から見える。死を弔い終え、厠の鏡で平然と化粧する喪服の女たち。川端の『化粧』のあらすじと解説。屍を舐める血の唇の印象に怯えていると、その時、涙しながらやってきた十七、八歳の少女の仕草を目撃し、私はさらに驚く。
川端康成

川端康成『雪国』あらすじ|恋情と哀愁、そして無に帰す世界。

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。名作『雪国』のあらすじを読み解説する。駒子の情熱と、葉子の透明さが天の河に浮かび上がる。悲しく美しい抒情で描く、川端文学の最高峰。雪国の自然のなか、無に帰してしまう人の世の儚さ。
川端康成

川端康成『雨傘/掌の小説』解説|傘が結ぶ、初恋の思い出。

離ればなれになる二人は記念写真を撮りに行く。ひとつの傘に確かめ合えたお互いの心、そんな『雨傘』のあらすじを読み主題を解説。帰りは二人の距離がなくなり、ひとつになる。少年の優しさを少女が受け入れる。触れる手に、傘が結んだ、淡い初恋の思い出。
川端康成

川端康成『日向/掌の小説』解説|初恋と祖父の思い出。

初恋の安らぎを描く『日向』のあらすじと解説。孤児ゆえに相手の顔色をうかがう癖があると思っていたが、それは盲目の祖父の顔を見ていたからと気づく。そして今、妻となる女性と日向を歩く思いを描く。相手を思いやる恋人の話に、優しくなれた私。
ベルンハルト・シュリンク

ベルンハルト・シュリンク『朗読者』-愛を読むひと- 解説|ナチスの迫害、もうひとつの記憶。

映画『愛を読むひと』の原作を読む。なぜハンナは突然、ミヒャエルの前から姿を消したのか?なぜハンナは不利な証言をしたのか?隠し通さねばならないもうひとつのナチス迫害の記憶『朗読者』を解説。ひとり罪を負い死を選ぶ。その真実は朗読者だけが知っていた。
森鴎外

森鴎外『山椒大夫』あらすじ|安寿と厨子王の童話を、現代に再生する。

中世の説教節を年代や大筋はそのままに、近代にアレンジした『山椒大夫』のあらすじと解説です。人買いに売られるが、運命を拓き出世して山椒大夫を懲らしめる。安寿と厨子王の話を換骨奪胎した鴎外の創作技法の素晴らしさで、奴隷解放や親子愛の物語となる。
スポンサーリンク