中上健次 中上健次『地の果て至上のとき』あらすじ|路地が消え、虚無を生きる。 生まれ育った路地の消滅、母系で抱かれた地を失い、歴史に繋がる父系の物語を思う。『地の果て至上のとき』のあらすじを読み主題を解説。突然、自死した龍造に自己の系譜を断ち切られ、秋幸は孤独と虚無の果てを生きていく。秋幸三部作いよいよその結末。 2021.02.10 中上健次
中上健次 中上健次『鳳仙花』あらすじ|母胎に宿る命から、その物語は始まった。 イザナギ・イザナミの兄妹神の記紀神話の地、隠国・紀州。秋幸三部作の前日譚『鳳仙花』のあらすじを読み主題を解説。フサが少女から大人となり、恋をして子を産み育て母親へとなっていく半生。新宮の「路地」に咲く鳳仙花、秋幸の母フサの兄妹恋慕の物語。 2021.02.03 中上健次
中上健次 中上健次『枯木灘』あらすじ|路地と血族がもたらす、激しい愛憎と熱狂。 紀州・新宮で私生児として生を受けた苦しみのなか、現れた「浜村龍造」。実父への激しい憎悪を燃やす『枯木灘』のあらすじを読み主題を解説。ついに蠅の王への復讐へ、秋幸の血は土地と共に熱狂する。しかし予期せぬ出来事へと展開し揺れ動く心の謎を追う。 2021.01.27 中上健次
中上健次 中上健次『岬』あらすじ|自分はどこから来た、何者なのか。 新宮の山と川と海に閉ざされた路地で、母系の複雑な血縁のなか実の父親「あの男」への憎しみを胸に、秋幸の苦悩し葛藤する物語『岬』のあらすじを読み主題を解説する。自分はどこから来た、何者なのか。血筋の呪縛のなか獣の血があふれる秋幸三部作の始まり。 2021.01.22 中上健次
川端康成 川端康成『白い花/掌の小説』あらすじ|死を見つめる、桃色の生。 肺病の従弟に恋を打ち明けられ付き合い、伝染して療養する女を描いた『白い花』のあらすじと解説。回復した彼女に恋をする医者と作家。しかし触れられない彼女の白い肌に「桃色」を思う、生も死も血潮の果てにあると信じる女性の熱き思いを読む。 2021.01.03 川端康成
川端康成 川端康成『笑わぬ男/掌の小説』あらすじ|妻の微笑みは、仮面の微笑みか。 芸術と現実は異なる。そんな苦い気分を味わう『笑わぬ男』のあらすじと解説。脳病院の現実を描いた映画で、最後は空想で美しい仮面を被らせて終わった。入院している妻が、子供のためにその面を被ったが、能面を外すとみじめな人生の顔が現れた。 2020.12.27 川端康成
三島由紀夫 三島由紀夫『美しい星』あらすじ|核戦争の不安のなか、人間の気まぐれを信じる。 コズミックな視点で核の脅威のなかの日本を考える三島の『美しい星』のあらすじと解説。地球を守りたいと太陽系のそれぞれの星から来た家族と、地球を滅ぼしたいと白鳥六十一番星からの宇宙人との議論の応酬に、米ソ冷戦下、人間とは何かを語るSF思想小説。 2020.12.19 三島由紀夫
武者小路実篤 武者小路実篤『友情』解説|恋愛と友情の葛藤に、辿り着いた結末は? 青春期の友情と恋の相克がテーマとなる『友情』のあらすじと解説。大宮と杉子の仲を知り、野島は片想いと失恋の苦しみに耐え、再起し仕事の上で闘うことを誓う。野島と大宮、お互いの友人を思う情けを描く白樺派を代表する作品。 2020.12.13 武者小路実篤
川端康成 川端康成『骨拾い/掌の小説』あらすじ|冷徹な眼が、虚無を見る。 十六歳で訪れた、最後の肉親の祖父の死を描いた『骨拾い』のあらすじと解説。青い人玉が飛び立ち、焼き場で骨を拾う。燃え屑の温気が強く、いやな臭いがする。生と死。とうとう一人になった私を、もうひとりの私が怜悧に見つめ、孤独な姿を感じる。 2020.12.06 川端康成
三島由紀夫 三島由紀夫『潮騒』あらすじ|男は気力や、歌島の男はそれでなかいかん。 肉体を鍛え、太陽と握手をしたという三島。そんな思いが漲った『潮騒』のあらすじと解説。伊勢湾に浮かぶ小島での若い漁師の新治と海女の初江の恋物語。二人の清澄な精神と肉体が成就する。神の支配する歌島を舞台に清々しく健康な美しさを謳歌する。 2020.12.01 三島由紀夫