坂口安吾

坂口安吾『堕落論』解説|生きよ堕ちよ、正しくまっしぐらに!

坂口安吾のエッセイ『堕落論』。歴史のなかに日本人の本質を紐解き、披瀝しながら、ひとりひとり自らが真理を追究する態度を求めている。戦争に負けたから堕ちるのではない。人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。正しく堕ちることでのみ、人間は救い得るとする。
村上春樹

村上春樹『品川猿の告白』解説|片想いの記憶を、熱源にして生きる。

猿が人間に恋をする。それは決してかなわぬこと。そこで好きな女性の名前を盗んで、大切に温めて、生きるエネルギーに換える『品川猿の告白』の解説。果たせぬ想いを抱きながら、生きていく糧にする。年老いた品川猿が、恋の記憶に余生を送る。
今村夏子

今村夏子『むらさきのスカートの女』表紙の絵のスカートが紫色じゃない理由

表紙の絵が紫色のスカートじゃないのには理由がある。スカートから出る四本の足の持ち主は誰なのか?と考えることが、作品の叙述トリックを解くことになるのだ。
ジョージ・オーウェル

ジョージ・オーウェル『動物農場』あらすじ|個人独裁の誕生までを、おとぎ話で表現。

全体主義を風刺しおとぎ話で描いたオーウェルの『動物農場』。その内容はスターリン主義を寓話としたもので、社会主義を歪曲し個人独裁の恐怖政治に辿り着くまでのあらすじと解説を加えながら、我々はいつどのようにして暴走を食い止めるべきかを考えていきます。
アーネスト・ヘミングウェイ

ヘミングウェイ『老人と海』あらすじ|屈しない精神と肉体、その尊厳とカタルシス。

老漁師サンチャゴは、八十四日の不漁が続いた翌日に、巨大なマカジキがかかる。三日三晩の格闘のすえ獲物をあげるが、帰途、鮫に襲われ食いちぎられながら死闘を続ける。行動派のヘミングウェイの『老人と海』のあらすじと解説に人間の尊厳とは何かを考える。
ジョージ・オーウェル

ジョージ・オーウェル『一九八四年』あらすじ|自由な思考が剥奪される、全体主義社会。

過去が改竄され、歴史が塗り変えられる世界。全体主義の監視社会『一九八四年』のあらすじと解説。新たな語彙と文法のニュースピークによってイデオロギーは実践され、人々は無意識に新秩序を生きる。ディストピアを実現するビッグ・ブラザーが睥睨する社会を考える。
深沢七郎

深沢七平『楢山節考』あらすじ|おっかぁ 雪が降ってきたよう、運がいいなぁ。

おりんは何故、楢山参りが待ち遠しいのか?歌で伝承される『楢山節考』のあらすじを読み解説。食糧が限られた村の掟では、冬を越すために老いた者は山に行く。自死する尊厳を楢山の神が見守る。家族の命を継ぐため、老婆のおりんの清さに雪が降る。
映画

映画『卒業』|花嫁の略奪シーンにみる、ベンの自我の開放とその行方。

アメリカン・ニューシネマの不朽の名作『卒業』。あらすじを追いながら、クライマックスの花嫁エレンの略奪シーンを考察し解説する。それは有名大学を卒業した優秀な青年ベンが孤独と喪失感のなかで、大人の社会に反抗し自我の開放を目指して、明日に旅立つ瞬間である。
志賀直哉

志賀直哉『范の犯罪』あらすじ|妻への殺人は、故意か?過失か?

抑圧から解放され、自己に忠実な生き方を選ぶ『范の犯罪』のあらすじと解説。故意の業か、過ちの出来事か。そこには「本統の生活」を求める范の懊悩があった。深い思索の軌跡と不意の殺人。冷静に熟慮した心の謎が解き明かされる。それは志賀直哉の思いでもあった。
志賀直哉

志賀直哉『清兵衛と瓢箪』あらすじ|大人の無理解に屈せず、飄々と才能を磨く少年。

芸術への清々しい情熱を描く『清兵衛と瓢箪』のあらすじを読み主題を解説。清兵衛が熱中する大切な瓢箪の収集は、父親や先生など無理解な大人に禁じられる。次は絵に自分の夢と才能を発揮する。直哉が尾道で本統の小説家を目指す姿勢を作品にしました。