梶井基次郎『檸檬』解説|レモン爆弾が、憂鬱を吹き飛ばす快感。

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作品の背景

『檸檬』の原型は1924(大正13)年に書かれた習作『瀬山の話』。その後の三高時代の自身の内面をまとめてみたりして、以前の日記の中の草稿などから「檸檬」として独立させます。

梶井の代表作というだけでなく、感覚世界を強く描き出したところは日本文学の傑作として小林秀雄、鈴木貞美、三島由紀夫など多くの作家たちに評価されています。登場する果物店「八百卯」も「書店 丸善」も今はもう有りませんが実在しました。

発表時期

1925(大正14)年1月、同人誌『青空』に掲載。梶井基次郎は当時24歳。その後、単行本として1931(昭和6)年5月、31歳の時に武蔵野書院より創作集『檸檬』刊行。この表題作、中に17編の短編が収録されています。