森鴎外

中世の説教節を年代や大筋はそのままに、近代にアレンジした『山椒大夫』のあらすじと解説です。人買いに売られるが、運命を拓き出世して山椒大夫を懲らしめる。安寿と厨子王の話を換骨奪胎した鴎外の創作技法の素晴らしさで、奴隷解放や親子愛の物語となる。

明治日本の建設のため訪れたドイツで出会った美しい踊子。「恋愛」か「功名」かの二者択一の葛藤に悩む青年の心。個人主義を尊びながら封建主義を捨てきれない日本の矛盾。国家や家名を選ぶか、自身の自由な道を選ぶか、自我をテーマとした日本の近代小説の始まり。

江戸時代の随筆集の話から問題提起した『高瀬舟』のあらすじと解説。明治の文豪にして軍医の鴎外が現代に問いかけた「足るを知る」ことと「安楽死」のテーマ。兄を慕う弟に対して、喜助の死の幇助の行動や人生の考え方について、あなたの意見はどうですか？