映画『シャイニング』あらすじと解説/ここが見どころ!

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概要>雪に閉ざされたオーバールックホテル。次第に精神を病んでいくジャックとシャイニングの能力で未来を予知するダニー、そして母親ウェンディ。精神の異常をきたすジャックは斧で家族を襲い、呪われたホテルとダニーが見る超常現象が、刻々と惨劇の世界となる。

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  1. 登場人物
  2. あらすじ(ネタバレあり)
    1. ジャックは、いわくつきのオーバールックホテルの冬期の管理人になる。
    2. 息子ダニーは “シャイニング”という予知能力を持ち、超常現象が見える。
    3. 同じ能力をもつハロランは、ダニーに”237号室”に近づくなと言います。
    4. 閉塞とアルコール依存と息子のトラウマで、異常になっていくジャック。
    5. 237号室の呪いとダニーの超常現象が、ホテルを恐怖で満たしていきます。
    6. ダニーは殺人を予知し、ジャックはグレーディーと話し母子を斧で襲う。
    7. 発狂したジャックから、必死にダニーを守るため抵抗するウェンディ。
    8. ジャックが斧で襲い、ダニーの見る超常現象、ホテルは呪いに満ちていく。
    9. ジャックは凍死しするが、オーバールックホテルの写真の中にいた。
  3. 解説/ここが見どころ!
      1. ●トニーのことを、ウェンディとジャックは知っている。
      2. ●ダニーとハロランは、超能力”シャイニング”を持っている。
      3. ●ホテルの閉鎖空間が、次第にジャックの精神を異常にしていく。
      4. ●ジャックとグレーディーの出会いと、会話の内容について。
      5. ●最期の集合写真のジャックらしき人物の、意味するものについて。
      6. ●ホテルの呪いと、ダニーの”シャイニング”との戦いについて。
      7. ●キューブリック監督とスティーヴン・キングと素晴らしい役者たち。

登場人物

ジャック・トランス(ジャック・ニコルソン)
小説家志望で執筆とバイトのため冬期のホテルの管理人となるが次第に精神を病む。
ウェンディ・トランス(シェリー・デュバル)
ジャックの妻、ホテルの閉鎖空間で異常となっていくジャックに追いつめられる。
ダニー・トランス(ダニー・ロイド)
トランス夫妻の一人息子で、シャイニングという未来予知の能力を強く持っている。
ディック・ハロラン(スキャットマン・クローザース)
オーバールックホテルの黒人の料理主任、同じくシャイニングの能力を持っている。
デルバード・グレーディー(フィリップ・ストーン)
ホテルのバーのウェイターだが、前任者のチャールズ・グレーディとは異なる。

あらすじ(ネタバレあり)

ジャックは、いわくつきのオーバールックホテルの冬期の管理人になる。

小説家志望でアルコール依存症のジャック・トランスは、小説を書きながらできる仕事を探している。見つけたのは、コロラド州のロッキー山脈にあるオーバールックホテルの管理人の仕事でした。

ホテルの支配人アルマンは、「ここの冬はとても厳しく、客足も無くなるので冬期は休業し、ホテルの維持のために管理が必要だ」と話します。さらに「誰も来ない冬期の長い5カ月間に孤独と戦うことが必要だ」と言います。

ジャックは、「小説家として、静かな環境は寧ろありがたい」と返答します。

すると支配人は、もうひとつ「1970年の悲劇」の話をします。

前任の支配人が、チャールズ・グレーディーという管理人の男を雇い、彼には妻と2人の幼い娘がいたが、冬の間に神経がおかしくなり気が狂って斧で家族を殺し、自分も猟銃で自殺したという話でした。警察は、一種の “閉所恐怖症” だと断定します。

冬の長い間、閉じ込められたからというのが理由でした。

ジャックは「大丈夫です、私にはそんなことは起こりませんから」と言います。そしてジャックは、妻ウェンディと息子ダニーの3人家族で住み込みでの管理人の仕事を引き受けます。

【解釈】映画「シャイニング」は、ホテルの出自の理由から悪霊の呪いが、ジャックに憑依して、“シャイニング”という未来予知能力をもつ少年ダニーとウェンディに襲いかかる、悪霊 vs 超常現象の話です。この冒頭で、支配人が“1970年の悲劇”を紹介しながら、物語を暗示します。

息子ダニーは “シャイニング”という予知能力を持ち、超常現象が見える。

“シャイニング”という未来の予知能力をもつダニーは、いつも“トニーという空想の友達”と話をしています。ダニーは、“冬期のホテルの管理人”の話を母から聞いて、さっそく超常現象で、ホテルが血の海になり小さな双子の姉妹が立っているのが見えます。

母のウェンディは「トニーも行きたがってるわ」と言うと、ダニーは「トニーはこのホテルに行きたくないと言っている」と話します。

【解釈】この時点で既に、“シャイニング”の能力と持つダニーは、ホテルの怪現象が見えます。二重人格のもう一人である“未来が見えるトニー”がダニーを引き留めますが、母親が強行してしまいます。

そしていよいよホテル閉鎖の日がやって来ます。

ジャックと家族は、ホテルの管理人としてオーバールックホテルに向かいます。

ホテルに着いてジャックとウェンディは支配人に挨拶しますが、ダニーの目の前には、早速、小さな双子の姉妹が現れます。オーバールックホテルは1907年に建ち、敷地はもとはインディアンの墓地でした。

【解釈】ホテルの歴史は、アメリカ人の入植時のインディアンへの虐殺が起源であり、悪霊となり呪いとして、土の下に眠っているというホテルの出自の因縁が暗示されます。

支配人は、施設や部屋の中を案内しながらジャック夫妻にホテルの説明をします。黒人の料理主任のハロランは、ウェンディとダニーに広々としたキッチンを案内します。

同じ能力をもつハロランは、ダニーに”237号室”に近づくなと言います。

説明をしながらハロランは、ダニーのことを「先生」と呼びます。ウェンディは「なぜ子供のダニーを先生と呼ぶのか」と訊ねると、ハロランは「きっと誰かに聞いたんでしょうね」と答えます。

支配人が、ジャックとウェンディを連れて他所を案内している間、ハロランとダニーは二人きりになると、ハロランは「なぜ先生と呼んだか分かるよね」といい、ハロランにもダニーにも口を動かさずに話が出来る「シャイニング」のテレパシー能力がありました。

ハロランの問いかけに、ダニーは「トニーの命令で話せない」と言います。「それは誰?」とハロランが問うと、ダニーは「トニーは口の中に住んでいる子」だと言います。そしてその子が、未来のことを教えるんだと言います。ハロランは「トニーのことを両親は知っているのか」と聞くと、ダニーは、「知っているけれど、未来が予知できることは知らない」と話します。

ハロランとの話の中で、ダニーは「237号室」の事を訊ねます。

するとハロランは「何もない、あんな部屋には用がない、だから入るな」と強くダニーに言います。

1か月後。

ダニーは、ホテルの中を三輪車で遊んでいます。

ジャックは新作の構想がまとまらない様子です。ウェンディとダニーは、ホテルの外にある大きな迷路のような庭の中で遊んでいます。ジャックはロビーにある迷路の庭の模型に、ウェンディとダニーを妄想の中で発見します。

火曜日。

オーバールックホテルのなかでダニーは三輪車で遊びながら、ふと「237号室」の前でとまり、三輪車を降りて部屋の中に入ろうとするがドアがあきません。

するとふっと“小さな双子の姉妹”が現れて消えます。

【解釈】この映画は、“シャイニング”の超常能力で見えるものと、ホテルの悪霊の呪いがかかり見えるのものに分かれています。この時に“小さな双子の姉妹”が見えるのは、ホテルの悪霊の仕業です。

閉塞とアルコール依存と息子のトラウマで、異常になっていくジャック。

ジャックは、ホテルの広いロビーで新作の物語をタイプに打っています。そこにウェンディが、仕事の慰労に訪れます。ところが、ジャックは「ウェンディ、きみが来るたびに仕事が中断される」と苛立ち、そして「タイプの音がしたら、仕事だから邪魔をするな」と言い放ちます。

【解釈】次第に、ジェックの神経は過敏になっていきます。ジャック自身の創作のあせりやアルコール依存症や息子へのトラウマによる精神の病理であると同時に、ホテルの悪霊の呪いが少しづつ神経を蝕み始めた兆候です。

土曜日。

雪の中で遊ぶウェンディとダニー。次第に外は豪雪になっていきます。

ウェンディは通信回線を確認しますが不通なので、森林警備隊の無線に連絡をします。電話は雪で故障していると伝えられ修理をお願いしますが、冬の間は無理だと返答されます。そして、連絡のため無線はつないだままにしておくことを薦められます。

三輪車で、いつものように遊ぶダニーに “小さな双子の姉妹” が現れ「ハローダニー、一緒に遊びましょう」と話しかけてきます。一瞬、ダニーには“斧で殺された二人の少女”が超常現象で見えます。

【解釈】“小さな双子の姉妹”が現れる部分は、ホテルの呪いがかかった怪現象だが、“斧で殺された二人の少女”は“シャイニング”の超常現象で未来を見たものです。それは、前管理人のチャールズ・グレーディーが発狂しておこした未来図です。

ダニーはトニーに「トニー、僕は怖いんだ」と話しかけます。するとトニーは「ハロランさんも絶対に行くなと言ったろ、本の中の絵と同じさ」答えます。

【解釈】ダニーには、トニーの未来予知によって残酷な未来が見えています。そこでトニーはダニーに、見たくないなら行くなと言っています。この“本の中の絵と同じさ”が何を指すのかは不明ですが、古い絵や写真の世界なのでしょう。

237号室の呪いとダニーの超常現象が、ホテルを恐怖で満たしていきます。

月曜日。

ダニーはジャックに「病気なの」と聞く。ジャックは「眠れなくて疲れている、仕事が山ほどある」と答える。そして「ここが好きで、できたら永遠にここにいたい」と話します。

ダニーはジャックに「ママや僕をいじめないで」と言います。

【解釈】ダニーは、すでにジャックが危害を加える未来を予知しています。ジャックも“できたら永遠にここにいたい”という言葉から、精神の異常さと悪霊がかなり憑依してしまっています。

水曜日。

吹雪のオーバールックホテル。

ダニーは通路に敷かれた絨毯の上で遊んでいると、何故か「237号室」の部屋のドアが開いています。

ウェンディは地下室の調整室にいたが、大きな叫び声が聞こえる。ロビーではジャックが眠っており悪夢にうなされている。ジャックは「夢でウェンディとダニーを殺した」と言います。そして「俺はきっと、気が狂うんだ」と言います。

その時、ダニーが首に傷をおって二人の前に現れます。ウェンディは、てっきりジャックが傷つけたと思い、夫を非難してダニーを抱え立ち去っていきます。

【解釈】ここからジャックは、完全に精神の異常をきたし、幻覚が見えてくるようになります。これはホテルの悪霊が完全に憑依したことで、ジャックは発狂した姿に変わっていきます。

ホテルのバーでロイドという架空のバーテンダーに語りかけ、自分は息子を傷つけるようなことは断じてしないと言います。そして疑いをかけたウェンディを「いまいましい女だ」と言いいます。ジャックはウェンディが昔の出来事を忘れさせないつもりだと憎みます。

昔、ジャックは酔っぱらって、仕事の邪魔をするダニーの腕を強くはらい怪我をさせたことがありました。そのことがジャックにはトラウマになっています。

そこへウェンディがやってきて「ここには他に人がいる、変な女がダニーの首を絞めた」と、さっきの傷のことを話します。

ハロランは自宅にいて、TVではコロラドは極寒であることを伝えています。さらにニュースは、コロラドで3人が死んだことを報じます。

そのころダニーは、237号室を思いながら恐怖で震えています。

ジャックは、237号室に様子を確認に行くと全裸の若い女性がバスタブから出てきます、抱きしめて抱擁すると、それは老婆の腐乱し始めた死体に変わりました。

【解釈】ジャックがウェンディからの知らせで237号に行き、若い女性と出会い、そして老婆に変貌します。これは、ホテルの悪霊の仕業で、ジャックを取り込みながら邪魔者のダニーを排除しようとしています。ただそれは、ジャックだけが幻覚として見えたもので、現実でないことをジャックも理解しているのでしょう。

ダニーは殺人を予知し、ジャックはグレーディーと話し母子を斧で襲う。

ハロランは心配してホテルに電話を入れますが不通状態です。

ジャックは273号室から戻りますが、心配するウェンディに何もなかったと話します。

ダニーは、超常現象でドアに「REDRUM」の文字を見て、また血の海を見ます。まさに殺人が差し迫っていることを予知します。

ウェンディは「ここを出ましょう」とジャックに言いますが、ジャックは「いつも邪魔ばかりして」とウェンディをとがめます。

ハロランは、心配して森林警備隊に電話をして「ホテルの管理人一家の安否を無線で確認してほしい」と伝えます。

ジャックは、すでに完全に精神の異常をきたし幻覚を見続けています。ホテルのバーラウンジは、たくさんの客でいっぱいで、バーボンを片手に歩くジャックにウエイターがぶつかって服を汚してしまいます。

染みになるのでと服を洗いますが、その時、ジャックが名前を聞くとウェイターは”デルバート・グレーディー”と答えます、それはジャックが最初に支配人に聞いた、前任の管理人で気が狂い、斧で妻と二人の娘を殺した話の人物の名前だと考えます。

【解釈】ここでのグレーディーはデルバート・グレーディで、最初に支配人から聞いた名前はチャールズ・グレーディであり別の人間である。

ジャックが「このホテルの管理人だったか」と訊ねると、グレーディーは「違います」と答えますが、妻と娘2人がいると言います。ジャックは、執拗に「管理人のグレーディだ」と言うと、グレーディーは、「あなたこそずっと前からここの管理人です」と言います。

さらに、グレーディーに「息子さんは、外部のものを私たちの世界へ連れ込もうとしています、ご存知か?」と聞かれ、ジャックは「知らない、誰を連れ込むのか?」と確認すると、グレーディーは「黒人の料理人」と答えます。そして「ダニーは凄い超能力の持ち主で、ジャックの邪魔をしようとしている」と言います。

【解釈】ウェイターのデルバート・グレーディーは、チャールズ・グレーディーとは名前こそ違うが、ホテルの悪霊のたくらみの敵となる“シャイニング”の超常能力を持つダニーや“黒人の料理人”が来ることを拒絶している。この“デルバート”と“チャールズ”の名前違いも悪霊の仕業とも考えられる。

ジャックは「ウェンディが悪い、あの母親が邪魔をするんだ」と言い、グレーディーは「よくしつける必要があり、少し厳しくしないといけませんな」と言います。

そしてグレーディーは自分も「妻と二人の娘を厳しくしつけた」と話します。

発狂したジャックから、必死にダニーを守るため抵抗するウェンディ。

連絡室では、森林警備隊の無線がホテルを呼んでいるがジャックは、無線を壊します。

休暇中の料理長のハロランは、心配でオーバールックホテルに向かいます。

ウェンディはダニーを部屋に残し、バットを片手に警戒しながら、夫ジャックを探しにホテル内を歩いています。

何気なくジャックが使うタイプライターを見ると“仕事ばかりで遊ばない、ジャックは今に気が狂う”という文字が何行も打たれています。傍らを見ると、ジャックの執筆中の原稿用紙に、“仕事ばかりで遊ばない、ジャックは今に気が狂う”という文字のみの原稿が何百ページも重ねてありました。

そこに現れるジャック、驚き動揺するウェンディに向かって「ダニーのことでは、相談が必要だ、ダニーをどうするか分かっているだろう」と言います。「なるべく早く病院に見せるべきです」というウェンディ。ダニーの“シャイニング”の能力が邪魔なことをジャックは感じています。

そして、ここを出ようとするウェンディに対して、ジャックは「5月まで管理人として契約書に署名したのに、契約や責任を何だと思っているんだ。」とウェンディに怒ります。

そして、殺しを口走りながらせまってくるジャックに対して、階段を後ろずさりで上がっていくウェンディ。間一髪で、振り回すバッドがジャックの頭にあたり階段を転げ落ちます。そして、ウエンディはジャックを引きずり食料倉庫に閉じ込めます。

ジャックが斧で襲い、ダニーの見る超常現象、ホテルは呪いに満ちていく。

PM4

グレーディーが、ジャックが閉じ込められている倉庫にやってきて「あなたには、ご相談した例の仕事は無理のようですね」とドア越しに言います。「奥さんは予想以上に賢いし強い、あなたは負けた。厳しい態度でやらないと必ず失敗しますよ。」と言い、ジャックは「必ずやる、誓って」と言います。

豪雪の中、ハロランはオーバールックホテルに向かいます。

ダニーは、ウェンディの寝室に入り、ベッド横の料理ナイフを持って「REDRUM」と呟きながらドアに口紅で「REDRUM」と綴ります。逆から読めば、MURDER(殺人)。ダニーは「REDRUM」と次第に大きな声で、殺人がすぐそこまで来ているように叫び続けます。

【解釈】ダニーは、“シャイニング”の超常能力で殺人を予知します。その緊張度は“REDRUM”で最高になります。そして悪霊が憑依したジャックは、使命を必ず果たすとグレーディーに誓います。

ダニーの声に目が覚めたウェンディは、ダニーを抱えて避難します。

ジャックは、グレーディーの助けで倉庫を出て斧を片手に、ウェンディの部屋のドアを壊しはじめます。ウェンディは、ダニーを窓から外に出して逃がしますが、小さな隙間しかなく大人のウェンディは身体がつかえて外に出ることができません。

【解釈】ジャックを助けるデルバート・グレーディーは、支配人が話したチャールズ・グレーディーと名前は違いますが、ホテルの悪霊が姿を変えたものであることになります。

ドアを斧で叩き壊し、中を覗くジャックの恐ろしい形相、完全に気が狂った状態に、ウェンディは恐怖で悲鳴を上げます。

ドアを破ってジャックが中に入って来ますが、ウェンディは料理ナイフで応戦します。

ダニーは、台所の食器入れの中に隠れます。やがて、ハロランがホテルにつき、大声を上げて人の気配を確認しますが、ジャックに見つかり斧で殺されてしまいます。

【解釈】デルバート・グレーディーの指示通りにジャックは黒人の料理人であるハロランをここで殺害します。

ウェンディも逃げ惑いながらダニーを探しますが、客室で数度、幻覚を見ます。ジャックは、ダニーを追いかけ外の庭に出る、ダニーは庭の迷路の中に逃げ込んでいきます。

ウェンディは、ハロランの死体を発見し、そこでまた別の人間の幻影が出てきます。さらにウェンディもダニーがみたホテルの血の海を見ます。

【解釈】ここでホテル自体の悪霊の呪いの超常現象は、頂点に達しそこここに現れています。

ジャックは凍死しするが、オーバールックホテルの写真の中にいた。

迷路に逃げ込んだダニーは、足跡をうまく消してジャックを攪乱し、自分の足跡を頼りに入口に戻ってウェンディと再会します。二人はハロランの乗ってきた雪上車に乗ってホテルから脱出します。

迷路の中で出口が分からなくなったジャックは、やがて凍死してしまいます。

そして不思議なことに、ホテルの古い時代のパーティの集合写真の真ん中にジャックは写っています。

それは1921年の7月4日の舞踏会の記念写真でした。

解説/ここが見どころ!

答えの無いシュールなキューブリックの作品ですが、何を意味するかを考えてみます。

●トニーのことを、ウェンディとジャックは知っている。

ホテルに行くときに、ウェンディは「トニーも行きたがっているわ」と言うと、ダニーは「トニーは行くのを嫌がっている」と言います。ダニーには、もうひとりの人格のトニーがいることをウェンディは知って、何らかの病気だと考えています。

またダニーが、ジャックの寝室に訪れたときに、ジャックは、ダニーのことを「先生」と呼びます。この部分では、どのくらいの程度かは分かりませんが、ジャックも何らかの“シャイニング”の能力を持っていることになります。

そしてダ二―は精神的に疲れていくジャックに「ママや僕をいじめないで」と話します。ジャックとウェンディは、ダニーの中に“トニー”という二重人格を知っています。未来予知能力を持つことは知らずとも、そんなダニーの言動がジャックには目障りで、ウェンディは優しく接している状況です。

そして次第にホテルの悪霊に憑依されていくジャックは、未来を予知し邪魔をするダニーを嫌い、ウェンディが守っていることに苛立っています。

●ダニーとハロランは、超能力”シャイニング”を持っている。

ハロランは、ダニーが”シャイニング”を持っていることを知り「先生」と呼びます。そして、その特殊な才能のちからは、未来だけでなく過去も現れることを説明します。

さらにハロランは、自分以上の超能力をダニーが持っていると認めています。だから「なぜ先生と呼んだか分かるよね」と言います。その問いに対してダニーは「トニーの命令で話せない」と言います。

ハロランは、この希少なダニーの能力を、自分が守っていかなければと思っています。

ハロランは、自身の冬期のいとまにも拘らずダニーを救おうとホテルに訪れます。しかしホテルの悪霊がジャックに憑依して、ハロランは殺されてしまいます。トニーはハロランの未来を死を予知していたから話さなかったのかもしれません。

逆に言えば、ハロランはダニーの命の身代わりとなり救ったとも言えます。それは出会ったときに、ダニーを「先生」と呼び、自分が守っていくという使命の結果でもあります。

●ホテルの閉鎖空間が、次第にジャックの精神を異常にしていく。

ホテルの大きな閉塞空間が次第にジャックの精神をおかしていきます。

作家という物語を空想できる資質とアルコールへの強い依存症、さらに冒頭の支配人の話。もともと、インディアンの墓の跡地にオーバールックホテルは建っており、大昔の虐殺を想起させます。

さらに酒でダニーに暴力をふるって傷つけた過去があり、ダニーの二重人格、そしてウェンディがダニーをかばい、自分をいつも非難しているのではとの被害妄想で気が狂い始めます。

オーバールックホテルが豪雪で深く閉ざされていくにつれて、ジャックのシャイニングの能力よりも呪われたホテルの悪霊の憑依のほうが勝り、強く表れていきます。

終盤ではまさにホテル全体に悪霊が憑依した状態になりダニーに襲いかかります。

●ジャックとグレーディーの出会いと、会話の内容について。

グレーディーは人違いと言い張りますが、妻と娘二人を厳しくしつけたことは認めます。しかし最後まで “管理人“ であることは認めません。そしてジャックこそが、昔からずっと “管理人“ だったじゃないかと言います。

確かに支配人は ”以前の管理人が人を殺した” と冒頭で話しています。デルバート・グレーディはホテルのウェイターであり、支配人から聞いた殺人を犯した以前の管理人チャールズ・グレーディーとは名前が異なります。

しかしこの幻覚の中で、ジャックは、ホテルの呪いとしてグレーディーと会います。そして会話が始まり物語が展開していきます。管理人である事だけを否定するグレーディー。何よりジャックは、今回はじめて“管理人”になったのです。

その意味で、グレーディーは”今はあなたが管理人だから、あなたは責任がある。あなたが殺す番だ”と言っているのか、それとも、デルバート・グレーディーの時代にもジャックは、ホテルの管理人として働いていたことがあったのかどちらかとなります。

後者であれば、輪廻転生として昔のジャックが、現代に現れたことになります。

●最期の集合写真のジャックらしき人物の、意味するものについて。

1921年の舞踏会の記念写真の正面にジャックらしき人物が写っていますが、ジャックがオーバールックホテルに管理人として来たのは前管理人の殺人のあった1970年以後なので時間軸としては明らかにおかしい。

となれば、この写真は、ジャックが見ている幻覚なのでしょうか。

もしくは1921年にジャックが、オーバールックホテルにいて、集合写真に写るようなホテルのメンバーだったのか。であれば、デルバート・グレーディがジャックに“昔から管理人”だったという言葉は写真と符合する。

まさに輪廻転生ということになります。

となれば、現在のオーバールックホテルに現れているジャックは、物語の途中のどこからか1921年のジャックと入れ替わったのか。謎の結末です。

●ホテルの呪いと、ダニーの”シャイニング”との戦いについて。

ジャックは精神を病んでいき、支配人の心配があたり、今度は、自分が斧での殺人を挙行するわけですが、ハロランは殺しましたが、ダニーと息子を守るウェンディは雪上車で逃げます。雪上車で駆けつけたハロランは、ダニーを守るべく脱出の方法を残したと解釈できます。

そしてジャックは写真の中にいます。ホテルの呪いとそれを実現したジャックはオーバールックホテルのメンバーとなります。なぜ呪うのか、この地がインディアンの血の上に建てられた歴史があるからです。

だから征服者である現代人との交信が途絶える厳寒の冬期に、管理人家族を生贄とする。そこにホテルの悪霊が憑依をして殺人を仕向ける。

以上は、全くの推論であり、キューブリック監督の意図は分りません。貴方自身だったら、如何にシャイニングの作品の謎解きを行われますか。

●キューブリック監督とスティーヴン・キングと素晴らしい役者たち。

スティーヴン・キングの原作とスタンリー・キューブルックの映画は、違ったものになっています。が、キューブリックの作品では独特のシュールな世界や、カメラワーク、シンメトリー、空間の作り方などが楽しめます。

そしてジャック・ニコルソンの次第に精神が狂っていく表情やしぐさの演技力はさすが圧巻。シェリー・デュバルの内面描写の弱さや強さ、ヒステリック、恐怖、怒りの演技も、その風貌と相まって異様な世界に引き込まれていきます。

また子役のダニー・ロイドが 未来予知をするもう一人の”トニー” との二重性や超能力を感じた時の恐怖に満ちた表現力が好演技です。

尚、2019年冬、40年後が舞台となる『ドクター・スリープ』が公開となりました。

スタンリー・キューブリック監督、スティーヴン・キング原作
映画『シャイニング』1980年公開のアメリカ映画
ジャック・ニコルソンの精神が異常になっていく狂気の演技が凄まじい。