映画『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』あらすじと解説/ここが見どころ!

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解説>盲目の退役軍人フランクは生きることに絶望しニューヨークへ自殺の旅に出る。同伴するチャーリーは学校で苦境に立つ。岐路に直面し思い悩むとき、損得では選ばない、真の人間の高潔さとは何かをアル・パチーノが熱演。アカデミー賞の主演男優賞受賞作品。

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登場人物

フランク・スレード中佐(アル・パチーノ)
盲目の退役軍人で昇進をフイにした元中佐。
チャーリー・シムズ(クリス・オドネル)
ベアード校の生徒で、アルバイトでフランクの世話をする。
トランス(ジェームズ・レブホーン)
名門ベアード校の校長。
ドナ(ガビリエル・アンウォー)
レストランでフランクとタンゴを踊る女性。
ジョージ・ウィルス・jr(フィリップ・シーモア・ホフマン)
ベアーズ校の生徒で金持ちの子どもで、いたずら者。
ハリー・ハヴマイヤー(ニコラス・サンドラ)
ベアーズ校の生徒で校長へのいたずらの首謀者。

あらすじ(ネタバレあり)

チャーリーは、ボストンの名門校ベアード校に奨学生として通う苦学生。

学校は裕福な子息ばかりで、ハリーやジョージは、感謝祭の休みに、豪華な遊びのプランを立てますが、チャーリーは、オレゴンへ帰省するためにバイトを探しています。

チャーリーは、気難しくて毒舌家の、盲目の元中佐の世話をします。

バイト先としてチャーリーは、姪の一家揃っての旅行への同伴を拒否する盲目の退役軍人フランク・スレード中佐の世話の口を見つけます。

会ってみると、気難しく毒舌家でエキセントリックなフランクの扱いはとても無理だとわかり、チャーリーは、最初は断りますが、中佐の姪に強くお願いされ、割の良いバイトでもあり引き受けました。

感謝祭の前日に、チャーリーとジョージは、同級生のハヴマイヤーたちがトランス校長の愛車ジャガーにいたずらの準備を仕掛けているところを目撃します。

翌朝、まんまとひっかったトランスは、車も自身も頭から黄色いペンキまみれで生徒たちの前で大恥をかきます。

甘い話で買収しようとされるも、拒否し、友達を守るチャーリー。

トランスは、犯人を特定しようと目撃者のジョージとチャーリーに問いただします。

ジョージは“顔は見えなかった”と答え、チャーリーは“誰かは言えない”と答えます。

トランスは奨学生で経済的に苦しいチャーリーに、証言すれば、 校長の特権としてハーバード大学に推薦をするが、証言しなければ、きみは退学だと迫られ、“言えない”と答えるチャーリーに週明けの全生徒を集めて開催される懲戒委員会までに覚悟を決めておくように言い渡します。

フランクは、姪の一家が旅に出ると、すぐにチャーリーを連れてニューヨークに旅立ちます。旅に同行するなど想定外の出来事に戸惑うチャーリーですが、フランクは全くお構いなしです。

ニューヨークで自殺する計画を、チャーリーに明かすフランク。

フランクは、飛行機の中でスチューワーデスの着けている香水の名前を言い当てます。

この世で最も素晴らしいものは女性だと語り、ずっと離れて次が、フェラーリだと話します。

そして今から、チャーリーの人生の教育を始めるんだと語ります。思いがけずもチャーリーは、フランクとニューヨークを共に過ごすことになります。

ニューヨークでは、最高級のホテル、ウォルドルフ・アストリアホテルに部屋をとり、フランクは、これからの計画をチャーリーに話します。

それは、ホテルに泊まり、美味しいものを食べ、いいワインを飲み、懐かしい兄貴の顔を見て、素晴らしい女を抱く。そのあと、大きなベッドに横たわり頭を打ち抜くという、自殺のための計画でした。

その計画には、手助けをしてくれる同伴者が必要で、それがチャーリーだったのです。

人間には2種類いる。立って戦う奴と逃げる奴。逃げる奴の方が利口だ。

チャーリーは、ジョージに、旅先から電話で善後策を確認します。

ジョージから、“当分、見ざる聞かざるで過ごす”と聞かされ、チャールズの不安はつのります。

フランクは、金持ちの子どものジョージは、親父に締め上げられるとすぐに事実を吐く。その時に、損をして将来を棒に振るのはきみだと、チャーリーに告げます。

得な道を選んだ方が良い。フランクはチャーリーにアドバイスをします。

感謝祭の夜に、郊外の兄の家を突然に訪ねます。毒舌なフランクは、下品な話ばかりでせっかくの会食を台無しにして、やっかい者として帰っていきます。

フランクは、チャーリーに、良心や友情は無用だと話します。

翌朝、居室で銃をあつかうフランクは、自殺の準備を着々とすすめています。

チャーリーは自殺をやめさせようとします。フランクは全盲になってからは、生きる気力を無くしています、また、人々の良心も無くなってしまった現実の世の中の変わりように、未練もないようです。

チャーリーは、校長から二者択一を迫られていることをフランクに話します。証言すれば、ハーバード大学に推薦入学を約束され、証言しなければ自分は退学になることを。

浮かない顔のチャーりーを横目に、フランクは、ティーラウンジで、恋人を待つ美しい女性ドナに声をかけます。その香りが、オグリビーの石鹸の匂いであることを言い当て、そして彼女の声から、こころの美しい女性であることを褒めたたえます。

タンゴは人生と違って間違わない、脚がもつれても踊り続ける。

フランクはドナをタンゴに誘います。ステップを間違うことを心配するドナですが、彼女をエスコートしながら、ホールで素晴らしい踊りを披露します。

チャーリーは、次第に、この盲目の軍人の優しく強い気持ちを理解していきます。

チャーリーは、フランクが高級娼婦とひとときを過ごしている間も、ジョージと連絡をとりますが、どうやら親父にばれて事態は急転し始めている様子でした。

それでもチャーリーは、自殺を前に滅入るフランクに、気を紛らわせるべくフェラーリのカブリオレを試乗し、楽しい気分にして落ち着かせます。

なんと盲目のフランクは、ハンドルを操り運転を始めます。110kmのスピードで直進し、コーナーを横切るフランクは有頂天になります。

自殺の準備にかかるフランクと、思いとどまらせるチャーリーの願い。

チャーリーは、ジョージに電話します。そしてジョージが、父親にすべて話したことを聞かされます。すべての計画を終えてホテルに戻ったフランク、軍服に着替え、最後の自殺の準備にかかります。

チャーリーは、懸命にフランクに生きることを説得します。

盲目で、生きることに意味を見出せないフランクに、生きることをあきらめないことを説くチャーリー。

タンゴも踊れるしフェラーリも運転できるし、素晴らしいことだと。タンゴの話のように、生きることを、足が絡まっても踊り続けることを涙ながらに訴え、フランクは自殺をとどまります。

友を売らないチャーリーに、校長は、最後通牒を告げようとします。

休みが終わり、ボストンに戻ります。ベアーズ校の始業ベルが鳴ります。

懲戒委員会がやってきました、全校生徒の前で真実が明らかにされ裁断が下されます。

ジョージは、父に付き添われています。校長が委員会の主旨を説明しているときに、心配したフランクは、ゆっくりとチャーリーの傍に親代わりとして座ります。

ジョージは、コンタクトレンズを外していたので確信は無いと断ったうえで、犯人は “ハリー・ハヴマイヤー達ではなかったか”と答えます。

ジョージの父親と校長とは、すでに裏で話がついているようでした。

次はチャーリーへの尋問の番です。

校長が、問いただしますが、チャーリーは“誰かは言えない”と答えます。退学の最後通牒がくるその時に、フランクが立ち上がります。

解説/ここが見どころ!

指導者に必要なのは、損得ではなく、高潔さである。

フランクは、チャーリーを弁護すべく立ち上がって演説を始めます。

俺は多くを見てきた、昔は見える目があった。
ここの生徒より年若い少年たちが、腕をもぎ取られ、脚を吹き飛ばされた。

だが、誰よりも無残だったのは魂を潰された奴だった。
潰れた魂に義足はつかない。

私には、チャーリーの沈黙の正誤は判断できない。
だが、彼は決して、自分の得のために友達を売る人間ではない!
それが人間の持つ高潔さだ。それが勇気だ。
指導者が持つべき資質はそれだ。

私も何度か人生の岐路に立ったが、どっちの道が正しい道かは判断できた。
でもその道は行かなかった。困難な道だからだ。

彼は正しい道を選んだ。真の人間を形成する信念の道だ。
彼の旅を続けさせてやろう。

彼の未来は君ら委員の手中にある。価値ある未来だ、保証する。

潰さずに守ってやってくれ。愛情をもって。
いつかそれを誇れる日がくる。

委員会が、チャーリーを沙汰無しと決定すると生徒たちは大きな拍手と歓声をあげます。
フランクの説得は、ベアード校の全先生、全生徒に届きました。

直訳は女の香り。なぜ、セント・オブ・ウーマンなのか 。

作中の女性の香りと、女性への賛美。

ニューヨークへ向かう飛行機のスチュワーデスは、英国王室御用達の香水ブランドの“フローリス”を、

フランクが、兄の家を感謝祭の夜に訪問し、甥の妻はゲランの香水“ミツコ”をつけていました。

またタンゴのパートナーとなるドナは、祖母から送られたオグリビーシスターズの石鹸を。

そしてベアーズ校の政治科学の女性教授はフルール・ドゥ・ロカーユ“岸辺の花”をつけていました。

フランクは“この香りをたどればあなたのところへいける”と女性教授に言います。

映画の原題である『Scent of a woman』は、つけている香水の匂いから、そのブランドの名前だけではなく、それぞれの女性の性格や考え方、暮らしぶりなども言い当ててしまいます。

そして“女ってのを誰がつくったのか。神ってやつは天才だ。”とフランクは言います。

フランクの本当の姿は、高潔でロマンティックな男なのでしょう。

映画「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」感動のラストに涙する作品です。