村上春樹『パン屋再襲撃』あらすじ|シュールで不思議な世界を楽しむ

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解説>僕と妻は、お互いが同時に、かってないほどのひどい空腹感に襲われた。その理由は、パン屋を襲撃した呪いが、かかったままだからのようだ。結婚したてのカップルに 訪れた都合よく行かない人生への警句。心理学や精神分析学のような村上春樹の世界。

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登場人物


28-29歳、法律事務所に勤めている。10年前に相棒とパン屋を襲撃したことがある。

年齢は、夫より2年8か月年下、デザインスクールで事務の仕事をしている。

あらすじ(ネタバレあり)

僕と妻、同時にかってないほどの飢餓感になる。

僕と妻は、理不尽なほどの圧倒的な空腹感に襲われます。

このことが、僕に10年前のパン屋襲撃事件のことを何となく思い出させます。

僕らは結婚してまだ2週間で、お互いの食生活の共同認識がありませんでした。

妻は、僕との結婚が、原因ではないかと考えています。

僕は妻に、貧乏な青春時代に相棒と二人でパン屋を襲ったときの話をします。

その時の解決の仕方に、重大な間違いがあったのではと僕は思っています。

妻は、その時のことが結婚してもまだ続いていて、それがこの空腹の原因だといいます。

妻は、その呪いを、解かなければならないといいます。

妻は、その時のパン屋を襲ったときの呪いがかかったままの状態だと言います。

妻は結婚生活にも、その呪いの状態を感じているといいます。

だから、いますぐ二人で力を合わせて呪いを解くべきだといいます。

さて、その方法と結末は・・・

評価(おすすめポイント!)

村上春樹の世界は、まるで精神分析や心理学の世界

僕の空腹と、妻の空腹と、それは同時に起こって、これまで経験に無いほど激しいものでした。

そして、どうも過去のパン屋襲撃が関係しているようです。

10年前は、僕と友人の話だけど、今回は、僕と妻でこの問題を解決する必要があるとのこと。

その理由を、妻は、今は自分が、僕の相棒だからといいます。

“特殊な飢餓感”を解くヒントは、以下の4つになります

この空腹感を映像で例えるなら、

➀ 僕は小さなボートに乗って静かな洋上に浮かんでいる

② 下を見下ろすと、水の中に海底火山の頂上が見える

⓷ 海面とその頂上のあいだはそれほどの距離はないように見えるが、しかし正確なところは分からない

④ 何故なら水が透明すぎて距離感がつかめないからだ

まさに、精神分析のテストのようなヒントです。

これらの意味するものは何か、そして僕と妻は、その後どうなったのでしょうか。

僕と妻の二人の共同作業は、うまく行ったのでしょうか。

不思議な村上春樹の世界です。「パン屋を襲う」の続編が、「パン屋再襲撃」です。

2つの作品を読むと、繋がりは分かりますが、それでも、正確な作者の意図は解りません。

そして、この作品が暗示するものは何なのか、 シュールな気分にさせてくれる作品です。

村上春樹著「パン屋再襲撃」文春文庫 2011年3月新装版 初期の傑作全6編の表題作。