映画『レオン』あらすじと解説/ここが見どころ!

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解説/ここが見どころ!

ナタリー・ポートマン13歳、可憐な少女と大人の女性の両方を演じる。

当時13歳のナタリー・ポートマンの衝撃的なデビュー作。

役柄のマチルダは12歳の設定、レオンには18歳だと偽る。可憐な少女と世間慣れした大人の女性を演じる。大人のくせに世間を上手く渡れない不器用なレオンとは対照的。

彼女のさまざまな表現と表情を追うのも楽しい、この幼く美しい女優の変幻自在の魅力が伝わる。彼女のフォトジェニックさが眩しい。たとえば次のようなシーン。

棲家を転々とし、そのたびにレオンの大切にする観葉植物と自分の大切にするぬいぐるみを持ち歩く姿は、殺し屋の二人組気取りだが幼く背伸びする少女を演じる。身長差のなかで坂道から現れるツーショットは微笑ましく美しい光景だ。

殺し屋の単調な訓練に退屈するマチルダが、思考力と記憶力のための「最高のゲーム」をやろうと提案する。それは人真似当てのゲーム。無邪気にマドンナやモンロー、チャップリン、ジーンケリーを演じるマチルダ。孤独で乾いたレオンの心を潤すような可愛らしい踊りがチャーミング。

「人を優しくするゲーム」といってロシアンルーレットで、こめかみに銃を当て「私が欲しいのは愛か死よ」と言い引き金を弾く。死をも恐れない凄味を見せながらも平然とレオンをためす表情。

初仕事を終えレストランで祝杯を上げるとき飲めないお酒をがぶのみして無邪気にレオンにキスを迫り誘惑するマチルダ。照れるレオンを見ながら大笑いするおませなしぐさ。

あどけなさやしたたかさ、繊細さや強さ、憂いやはじける笑顔。女優ナタリー・ポートマンの誕生だ。

強い眼のチカラ、この若く幼く素晴らしい才能の女優のもつ魅力を余すところなくリュック・ベンソン監督は引き出していく。

マチルダがベッドに飛び込みながら「レオン、あなたに恋したみたい」と語り、レオンが思わずミルクを吹き出すシーンは、大人じみた少女のマチルダと不器用なレオンとのアンバランスな関係がうまく描かれている。

また一人で スタンフィールド の殺害に向かうときにかぶる赤い帽子とオーバルメガネのスタイルは尊敬する殺し屋のレオンへの思いと同時にとてもファッショナブル。

彼女がレオンを愛することを決意し、レオンからプレゼントされたドレスを着るシーンも清楚で美しく、すでに後年の大人のナタリー・ポートマンの姿を連想させる。

レオンとマチルダの年齢差で「ロリコン映画」と評されることもあるが、寧ろ殺しは一流でも、生きるのが下手で世間知らずで大人になれないレオンと、虐待を受けすでに精神が成長しているマチルダの設定で、復讐を誓う少女がプロの殺し屋を慕う不思議な相互依存と捉えることで年齢差を越えることができる。

年齢差を越えたふたつの孤独な境遇が、お互いを優しく包み込む。

冷静沈着で寡黙な殺し屋のレオン、愛する弟を失い復讐を誓うマチルダ。

隣りあう部屋の偶然が、ふたつの孤独を引き合わせる。

レオンは19歳の時、貧しさゆえに引き裂かれた純粋な愛とその報復による殺人で暗い過去があり、社会に適応できず街にも出ず恋もできなくなり殺しのプロになった。

マチルダはゴロツキの父と継母、意地悪な義姉と暮らす家族で、常に虐待され殴られ心身が傷つき学校から逃げ出す12歳の少女、唯一のささえだった弟も殺害される。

マチルダは弟の復讐を誓い、レオンに殺しのレッスンを受け、二人で共同作業を行う。

目の前に繰り広げられる殺戮も愛するレオンとならば遂行できる。二人の前にはだかる仇敵、スタンフィールド。冷徹非情で殺しを楽しむ。異常性を発揮し見るものを震撼とさせるゲイリー・オールドマンの演技は、悲しいクライマックスへの伏線を繋いでいく。

暗く冷徹な眼で次々に殺しを行うレオンと、レオンといることで眩しい輝きを取り戻すマチルダ。

生きるのが下手な寡黙なレオンと、背伸びをして大人を装うマチルダ。やがて二人に愛情が芽生える。恋愛と呼ぶには、アンバランスで、刹那的で、しかし二人は誰よりも心を通わせ許しあえる関係に。

全編を流れるエリック・セラの音楽と、エンディングのポリスの歌がせつない。

リュック・ベンソン脚本・監督
映画『レオン』1994年制作のフランス・アメリカ合作映画
ストイックなジャン・レノとあどけないナタリー・ポートマンの不朽の名作。