映画『レオン』あらすじと解説/ここが見どころ!

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概要>ニューヨークで孤独に生きる殺し屋レオンと、幼い弟を殺された可憐な少女マチルダ。二人は組んで復讐に向かう。暗く悲しいレオンの運命と、レオンに恋するマチルダの瞳。ジャン・レノの哀愁とナタリー・ポートマンの眩しさ。美しく悲しい大人と少女の物語。

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登場人物

レオン・モンタナ(ジャン・レノ)
イタリア系移民の独身で凄腕の殺し屋。トニーから依頼を受け殺しを行う。
マチルダ・ランド(ナタリー・ポートマン)
レオンと同じアパートに住み家族を殺された、孤独で大人びた12歳の少女。
ノーマン・スタンフィールド(ゲイリー・オールドマン)
麻薬取締役の刑事でありながら、密売組織の裏のボスの顔を持っている。
トニー(ダニエル・アイエロ)
レオンの雇い主で恩人でありマフィアのボス、レオンを一流の殺し屋に育てた。
ジョセフ・ランドー(マイケル・バダルコ)
マチルダの父、マリファナの運び屋だったが、ブツを横領して殺される。

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あらすじ(ネタバレあり)

レオンは、イタリア系移民の凄腕の殺し屋。今日も鮮やかな手さばきで殺しを行う。黒のニット帽とオーバルのサングラスが彼のスタイル。依頼を受け、仕事を終えて、リトルイタリー地区の安アパートに帰る。

マチルダとレオン、それぞれが孤独な人生を送っていた。

レオンがアパートの階段を上っていくと、廊下に座っている少女がいた。

一人寂しそうに階下を見下ろしタバコをくわえ、顔には殴られた跡がある。レオンは心配そうに声をかけ、通り過ぎ自分の部屋に入っていく。

少女の名前は、マチルダ。マチルダの家に、家族の幸せは無い。

父親のジョセフは、マリファナの運び屋。乱暴者で、いつもマチルダを殴っている。母親は、下品な継母でマチルダを嫌っている。腹違いの姉もダイエットに夢中で妹を可愛がることは無い。皆、マチルダを邪魔者扱いして家族の愛情は無い、マチルダも同様にそんな家族を嫌う。唯一、弟だけがマチルダにとって安らぎだった。

今日も父親に暴力を振るわれ、鼻から血を出し手摺てすりにもたれ階下を見下ろしている。

ハンカチを差し出すレオンに、マチルダは「大人になっても人生はつらい?」と訊ねる。無表情にレオンは「つらいさ。」 と答える 。

レオンは、殺しの仕事を終え、いつもこの部屋に戻ってくる。

いくつもの種類の銃を手入れし、黙々と体を鍛える。朝になれば観葉植物を窓際にかざし、ミルクが好きで、たまに映画館にいく。観葉植物に水をやりながら、根が地面についてないのが自分と同じだと思う。

レオンもまた、一人、孤独に暮らしていた。

一家は惨殺され幼い弟まで失い、復讐を誓うマチルダ。

ある日、スタンフィールドたち一味が現れる。彼らは麻薬密売組織の消えたブツを探している。ジョセフが横取りをしたものと疑っており、明日の正午まで取り戻すように命令する。

翌日、約束の正午になる。スタンフィールドたちはジョセフの部屋に戻ってきた。ヴェートーベンの音楽を聴きながら異常な殺意で、浴室にいた妻や逃げ惑う義姉を撃ち殺していく。反撃するジョセフに部下がひとりやられるが、逃げるジョセフをスタンフィールドは、何発も弾を撃ちこみ殺す。

一瞬で、父ジョセフ、妻、義姉そして小さな弟までも惨殺されてしまう。

たまたま買い物に出ていて難を逃れたマチルダは、父の死体に遭遇するが、機転を利かせて、そのまま自分の部屋の前を通り過ぎ、レオンの部屋のドアを叩く。

ドア越しに始終を見ていたレオンは、用心深くドアを閉めたままだったが、マチルダの悲痛な顔を見て、さっと部屋の中へと受け入れる。

マチルダは、自分を虐待した家族を失ったことに悲しみはないが、唯一、愛する弟の死を悼んだ。

部屋にあるたくさんの銃器を見てマチルダは、レオンが殺し屋だと知る。レオンのよどんだ眼と、マチルダの澄んだ目が交差する。

マチルダはレオンに「誰でも殺すのか」と訊ねると、レオンは「女子供以外なら」と答える。

マチルダは、弟の仇を討つのに幾ら要ると訊ねる。レオンは一人5000と答える。マチルダは「何でもするから殺しを教えてくれ」とレオンに復讐を依頼する。

その代りにマチルダは、掃除や買い物、洗濯など何でもするという、レオンはマチルダの心を慰め ベッドに寝かした。

マチルダは、レオンの優しさに感謝し静かに眠った。

殺し屋になる訓練を、レオンに教わるマチルダ。

孤独な殺し屋レオンは、部屋にマチルダがいることにやがて困惑する。

仇討ちを引き受けてくれないレオンに、マチルダは自分が殺し屋になるという。そして、レオンに殺し屋になるための訓練をしてほしいと懇願する。共に組みたいと言うマチルダに手を焼くレオン。

マチルダは「ボニーとクライドもコンビだ」と説得を試みる、 呆れ顔のレオン。

レオンの仕事にとって女は邪魔、出ていってほしいレオンに対して「私を放り出すのは助けなかったことと同じ。追い出されたら殺される、死にたくない。」とマチルダは言う。

「きみはまだ子供だからとても殺し屋にはなれない。」とレオンは言う。するとマチルダは突然、 部屋にあった銃をとり窓の外向かって乱射する。「これでも?」と平然と応える。

マチルダに根負けしたレオンは、殺しのテクニックをマチルダに教えていく。

二人はアパートからホテルに居場所をかえる。初心者向けとして、マチルダにライフルを与え、ビルの屋上からセントラルパークをランニングする男を仮想のターゲットに見立て、狙いを定め、偽の弾で練習する、教えられた通りマチルダは操作し見事に命中させる。

マチルダは来る日も来る日も殺し屋になる訓練をレオンに教っていく。

レオンとマチルダ、二人の殺しのチームが動き出す。

二人の共同生活が始まる。

レオンは、トニーに育てられ一流の殺し屋になったが、字が読めず書けない。そんなレオンに、マチルダは代わりに読み書きを教える。

レオンは、観葉植物を最愛の友だという。「無口で、自分と同じように根が無いから。」と言うと、マチルダは「大地に植えれば根が張る」と話す。どこか説得力ある話し方だった。

レオンは、少しずつマチルダへ愛情のようなものが芽生えてくる。それはレオンが無くしていた人間らしい心が、マチルダと共に過ごす時間によって取り戻されていくようでもあった。

レオンは、久しぶりにトニーに会いに行く。

トニーは、表向きはイタリアンレストランを経営しているが、彼こそがレオンに仕事を依頼しているマフィアのボスであった。トニーは、19歳でアメリカに辿り着いたレオンを拾い一流の殺し屋に育てた。

レオンは、トニーに仕事の報酬として預けている金をいつか欲しいという。女の存在に気付くトニーは「女性は要注意だ」と釘を指す。読み書きがろくにできないレオンをトニーは言葉巧みに管理している。

その夜、おませなマチルダはレオンに恋していると告白する。子どものマチルダの告白に、思わずミルクを吹き出すレオン。

マチルダもまた、レオンとの生活で一人ぼっちの孤独から抜け出すことができて、幸せだった。

仇敵が判明し、マチルダはレオンに復讐を依頼するが断られる。

ある日、マチルダは、家族が殺された部屋に荷物と隠したお金を取りに戻る。

そこに警察がスタンフィールドを同道して実地検証にやってきた。間一髪、隠れるマチルダだが、尾行して辿り着いたところは麻薬捜査局だった。弟を殺害したスタンフィールドは現役の麻薬取締局の刑事だった。

事件の麻薬組織の背後には麻薬取締役局があった。

マチルダはレオンに殺しの依頼をする。依頼金は親の隠し金2万ドル、相手はスタンフィールド。居場所は麻薬取締局の4602号室。

レオンは、断る。そして幼いマチルダに復讐をあきらめさせようとする。

殺された弟の復讐を誓うマチルダは、殺しを引き受けてくれないレオンに対して「愛か死かどちらかしかない」と言い、おもむろに拳銃に弾を込め回転させる。

ロシアンルーレットの賭けにでる。

装填そうてんした音で弾の出る順番がレオンには分かり「きみが負ける」とつぶやく。お構いなく引き金を弾くマチルダ、瞬間、レオンの手が銃をはらう。間一髪、弾は壁際のランプスタンドを撃ちぬいた。

マチルダは「私の勝ちね」とつぶやく。レオンとマチルダは二人で組む。

レオンはトニーにマチルダを紹介し、コンビでやっていくことを伝える。次々と二人で殺人の依頼を応えていく。マチルダがドア越しに相手を呼び出し、ドアが半開きになり内側のチェーンをレオンが切って、一気になだれ込み相手を殺すというコンビネーションが出来上がった。

ある日、レオンはトニーを訪れる。

そして、自分の身に何か起こったら預けている仕事の報酬金はすべてマチルダに渡してほしいと依頼する。レオンは、幼い時から育ててくれたトニーを信じるが、トニーはそんなレオンを一人の殺し屋として使っているだけであった。

レオンは、次の仕事は一人でしたいという。そしてマチルダに少し大人になってほしいという。

マチルダは「自分はもう大人で、後は年を取るだけだ」と答える。レオンは「自分は年だけはとったが、これから大人になる」と言って出ていった。

マチルダの復讐を叶えたレオンの壮絶な最期と、その後。

マチルダはレオンがプレゼントしてくれたドレスを着て、決心をしてダイニングにあらわれる。

初体験としてレオンに愛されたいというマチルダに、レオンは遠い日の思い出を語る。

それはアメリカに来る前に愛した女性が、とても裕福な家庭で、彼女の父親は貧しいレオンを嫌い、それでも愛し合う二人に、父親は娘を殺したというものだった。

父親は逮捕されたが、事故ということで釈放された、そしてレオンはその父親を殺した。レオンが19歳の時だった。

それ以来、このリトルイタリーの街を出たこともないし二度と恋もしていない。レオンの気持ちを理解したマチルダは、その日からレオンの腕枕で寝ることだけを要求した。

朝を迎え、幸せそうに買物に出かけたマチルダだが、帰りにスタンフィールドの配下に捕まってしまう。

レオンに危機が迫る、部屋のノックの合図を変えて伝えることでレオンに危機を知らせる。反撃するレオンにマチルダは助かるが、スタンフィールドの総動員の指示に、警察が多数集まり次々に突入する。

激しい銃撃戦のなかレオンはマチルダを通気口から脱出させる。

死を覚悟しているレオンに「ひとりでは行けない」と断るマチルダ。レオンは「きみは生きる望みを与えてくれた、大地に根を張って暮らしたい、決して独りにはしない」という。必ず生きて、そしてトニーの店で1時間後に会おうと約束する。

初めてレオンは「愛している、マチルダ」と告げる。マチルダも「私もよ、レオン」と応える。

レオンの凄まじい反撃に敵はひるむが、烈しい銃撃戦でミサイル砲に吹っ飛ぶレオン。しかし負傷した突撃隊になりすましなんとか脱出する。だが、レオンはスタンフィールドに見つかり背後から撃たれる。

最期の息で、レオンはスタンフィールドに「マチルダからの贈り物だ」と爆弾の安全ピンを渡す。レオンは、体に巻き付けた爆弾でスタンフィールドを道連れに自爆する。

レオンは約束通り、マチルダの復讐を叶えた。

トニーのところで待つマチルダはレオンが死んだことを知らされる。レオンが預けたお金は、引き続きトニーが預かり小遣いを渡すと約束される。

マチルダは泣き崩れて、殺し屋の仕事をさせてくれとトニーに願いでる。

学校に戻れと諭されるマチルダは、元のひとりぼっちになってしまい、孤独にニューヨークを歩き、そしてスペンサー学園に帰ってきた。学校を逃げ出したマチルダだが、校長は寛容に彼女を迎え入れる。

二度と嘘はつかないようにと話す校長に対して、これまでの出来事を話して、マチルダは校庭にレオンが大切にした観葉植物を植えるのだった。

彼女は言う「もう安心よ、レオン」。マチルダは、レオンと共にいることを静かに思う。

解説/ここが見どころ!

ナタリー・ポートマン13歳、可憐な少女と大人の女性の両方を演じる。

当時13歳のナタリー・ポートマンの衝撃的なデビュー作。

役柄のマチルダは12歳の設定、レオンには18歳だと偽る。可憐な少女と世間慣れした大人の女性を演ずる。大人のくせに世間を上手く渡れない不器用なレオンと対照的。

彼女のさまざまな表現と表情を追うのも楽しい、この幼く美しい女優の変幻自在の魅力が伝わる。彼女のフォトジェニックさが眩しい。

棲家を転々とし、そのたびにレオンの大切にする観葉植物と自分の大切にするぬいぐるみを持ち歩く姿は、殺し屋の二人組気取りだが幼く背伸びする少女を演じる。坂道から現れるツーショットは微笑ましく美しい光景だ。

殺し屋の単調な訓練に退屈するマチルダが、思考力と記憶力のための「最高のゲーム」をやろうと提案する。それは人真似当てのゲーム。無邪気にマドンナやモンロー、チャップリン、ジーンケリーを演じるマチルダ。孤独で乾いたレオンの心を潤すような可愛らしい踊りがチャーミング。

「人を優しくするゲーム」といってロシアンルーレットで、こめかみに銃を当て「私が欲しいのは愛か死よ」と言い、引き金を弾く。死をも恐れない凄味を見せながらも平然とレオンをためす表情。

初仕事を終えレストランで祝杯を上げるとき飲めないお酒をがぶのみして無邪気にレオンにキスを迫り誘惑するマチルダ。照れるレオンを見ながら大笑いするおませなしぐさ。

あどけなさやしたたかさ、繊細さや強さ、憂いやはじける笑顔。

強い眼のチカラ、この若く幼く素晴らしい才能の女優のもつ魅力を余すところなくリュック・ベンソン監督は引き出していく。

マチルダがベッドに飛び込みながら「レオン、あなたに恋したみたい」と語り、レオンが思わずミルクを吹き出すシーンは、大人じみた少女のマチルダと不器用なレオンとのアンバランスな関係がうまく描かれている。

また一人で スタンフィールド の殺害に向かうときにかぶる赤い帽子とオーバルメガネのスタイルは尊敬する殺し屋のレオンへの思いと同時にとてもファッショナブル。

彼女がレオンを愛することを決意し、レオンからプレゼントされたドレスを着るシーンも清楚で美しく、すでに後年の大人のナタリー・ポートマンの姿を連想させる。

レオンとマチルダの年齢差で「ロリコン映画」と評することはできるが、寧ろ、殺しは一流でも生きるのが下手で、世間知らずで大人になれないレオンと、虐待を受けすでに精神が成長しているマチルダの設定で、復讐を誓う少女がプロの殺し屋を慕う不思議な相互依存と捉えることで年齢差を越えることができる。

年齢差を越えたふたつの孤独な境遇が、お互いを優しく包み込む。

冷静沈着、寡黙な殺し屋のレオン、愛する弟を失い復讐を誓うマチルダ。

隣りあう部屋の偶然が、ふたつの孤独を引き合わせる。

レオンは19歳の時、貧しさゆえに引き裂かれた純粋な愛とその報復による殺人で暗い過去があり、社会に適応できず、街にも出ず、恋もできなくなり殺しのプロになった。

マチルダはゴロツキの父と継母、意地悪な義姉と暮らす家族で、常に虐待され殴られ心身が傷つき、学校から逃げ出す12歳の少女、唯一のささえだった弟も殺害される。

マチルダは弟の復讐を誓い、レオンに殺しのレッスンを受け、二人で共同作業を行う。

目の前に繰り広げられる殺戮も愛するレオンとならば遂行できる。二人の前にはだかる仇敵、スタンフィールド。冷徹非情で、殺しを楽しむ。異常性を発揮し見るものを震撼とさせるゲイリー・オールドマンの演技は、悲しいクライマックスへの伏線を繋いでいく。

暗く冷徹な眼で次々に殺しを行うレオンと、レオンといることで眩しい輝きを取り戻すマチルダ。

生きるのが下手な寡黙なレオンと、背伸びをして大人を装うマチルダ。やがて二人に愛情が芽生える。恋愛と呼ぶには、アンバランスで、刹那的で、けれども二人は誰よりも心を通わせ許しあえる関係に。

全編を流れるエリック・セラの音楽と、エンディングのポリスの歌がせつない。

リュック・ベンソン脚本・監督
映画『レオン』1994年制作のフランス・アメリカ合作映画
ストイックなジャン・レノとあどけないナタリー・ポートマンの不朽の名作。