映画『L.A.コンフィデンシャル』あらすじと解説/ここが見どころ!

概要>マリファナ、売春、恐喝。犯罪渦巻くロサンゼルス。腐敗に立ち向かう3人の刑事、ガイ・ピアーズ、ラッセル・クロウ、ケビン・スペイシー。テーマは出世、愛情、お金。コンフィデンシャルとは何か、L.A.を舞台にお洒落で魅惑的な犯罪ミステリー映画。

登場人物

エド・エクスリー警部補(ガイ・ピアーズ)
年は若いが、クールで頭が良く上昇志向の野心家タイプ。
バド・ホワイト巡査(ラッセル・クロウ)
女性への暴力を許さない、正義感の強い激情家タイプ。
ジャック・ビンセント刑部(ケビン・スペーシー)
麻薬課のスター刑事だが、裏金を受ける狡猾なタイプ。
リン・ブラッケン(キム・ベイシンガー)
ヴェロニカ・レイクに似せて整形している「白ユリの館」の娼婦。
スーザン・レファーツ
リタ・ヘイワーズに似せて整形をしている「白ユリの館」の娼婦。
ダドリー・スミス
ロス市警の刑事部長、現場の指揮官で、エド、バド、ジャックの上司。
シド・ハッジェンス
ゴシップ誌「ハッシュ・ハッシュ・マガジン」の記者兼編集責任者。
ピアス・パチェット
「白ユリの館」の元締めであり、裏の世界に通じている大富豪。
ステンズランド
バドの相棒だったが、不祥事で辞職。ナイトアウル事件の被害者の一人。
バズ・ミークス
もとはロス市警の刑部だが、辞めて、ピアスの用心棒になっている。

あらすじ(ネタバレあり)

1950年代末のロサンゼルス。大物マフィアのミッキー・コーエンの逮捕で、暗黒街は新たな覇権争いが激しくなります。

次々に起こる連続殺人事件、売春、スキャンダル、恐喝。L.A.に広がる暴力と腐敗の謎をロス市警の3人の刑事が究明していきます。

・エドは、正義のためなら仲間を売ることも辞さない、強い意志と政治力で出世を目指します。

・バドは、理屈よりも腕力で正義を示す性格で、圧倒的な暴力で弱い立場のものを守ります。

・ジャックは、粋なスター刑事の顔と、裏ではシドに情報を流し裏金を受け取る世渡り上手。

3人が、それぞれの正義の考え方とアプローチで捜査を進めます。あなたは、誰を応援しますか?

それは、クリスマスイブの夜にはじまった。

バドは、イヴの夜、相棒のステンズランドと街を巡回中、女房に激しい暴力をふるう男を目撃し、圧倒的な腕力で叩きのめします。その帰り道、イブのパーティーのため酒店に訪れます。

そこでバドは、魅惑的な女性と出会います。

彼女を待つ車には、鼻に大きな包帯をした女性がいました。心配して声をかけると、用心棒がでてきてひと悶着ありますが、ひとまずその場は何も起こらず、二人は署に引き上げます。

一方、有名な刑事を父に持つエドは、警部補試験をトップ合格したエリートで、上司のスミスに刑事部への転属を願い出ます。スミスは、ひ弱な彼を渋りますが、エドの意志は固く刑事部に配属されます。

ジャックは、ロス市警の活躍を描くテレビドラマ「名誉のバッジ」の演技指導を行う麻薬課のスター刑事。しかし裏では、タブロイド誌“ハッシュ・ハッシュ・マガジン”の記者シドに、情報を流し裏金を受け取る刑事でもありました。

ロス市警のイブの夜は、3人をはじめ、たくさんの当直が署内で酒盛りをはじめます。

そこへ刑事を撃った容疑者が連行され、酒の勢いも手伝い、ステンズランドが容疑者を殴り仲裁に入ったバドやジャックも巻き込まれ大乱闘になります。

新聞は「血のクリスマス事件」と大見出しで報じ、ロス市警の権威は失墜します。

信頼回復のために、地方検事や、警察本部長、スミス刑事部長など頭を抱える中、功利的でクールなエドは、平然と首謀者ステンズランドの免職を提案し、バドやジャックは謹慎や転属となり早期解決します。

仲間を売ったエドと相棒を失ったバドには大きな溝ができてしまいます。

ナイトアウルの6人の惨殺事件の被害者に刑事とあの時の女がいた。

そんな中、ダウンタウンのナイトアウル・コーヒーショップで惨殺事件が発生。

ロス市警は、スミスの指揮下、3人の刑事が捜査に動きます。6人の被害者の中には、つい先ほど免職したバドの相棒だったステンズランドとイブの夜の包帯の女性も含まれていました。

検視の結果、女性の名前はスーザン。彼女は、ハリウッド女優リタ・へイワーズにそっくりで母親も顔の変わりように戸惑うほどの整形を施していました。

バドは、イブの夜に酒店であった女性リンの住所からピアスをつきとめます。

ピアスは、ハリウッド女優に似せた売春婦を組織する「白ユリの館」の元締めでした。そして、用心棒の名前はバズ・ミークス。

「白ユリの館」のキャッチフレーズは“お望みのままに”。

検事や政治家との夜の情事が秘かに繰り広げられています。

バドは、リンのもとへ訪問しピアスとの関係を探ります。

誤逮捕で振り出しに、謎が多い白ユリの館、L.A.の夜の闇。

エドとジャックは、スミスが発表した目撃情報から容疑者を捕まえ自白させますが、脱走され発見するも抵抗され、正当防衛で犯人の黒人少年3人を射殺します。

その功績で、エドは武勲賞を受けタフガイとして仲間達に受け入れられます。しかし、それは、別件の誤逮捕であることが判明します。

一方、ゴシップ雑誌「ハッシュ・ハッシュ・マガジン」の記者シドは、今日も、ジャックのネタをもとにハリウッドのホモ男優のマリファナ疑惑をスクープし、誌面に大々的な見出しを付け暴き立てます。

この時ジャックも、ホモ男優の持ち物から「白ユリの館」のネームカードを見つけます。

さらに「白ユリの館」で、情事を写真に収められた市議。彼は、ピアスの利権となるフリーウェイ建設に反対していましたが、この恐喝で再選を断念します。

こうしてロサンゼルス、ハリウッドの街は、マリファナ、売春、恐喝、賄賂などの腐敗の中にあり、ナイトアウルの真相も振り出しに戻ります。

事件の背景には、ヘロインの利権が絡んでいるようだ。

リンのもとへ事情聴衆に訪れるバドは、リンに心惹かれていきます。

リンもまた、娼婦としてではなく、ひとりの女性として接するバドに思いを寄せていきます。

そんな中、バドの捜査は、スーザンの実家の母親に及びます。話から、ステンズランドとスーザンが恋人だったことを知ります。

また、家の床下で死体を発見します、その男はイブの夜、車から出てきた用心棒バズ・ミークスであることを突き止めます。バズもまた、過去はロス市警の刑事でした。

事件の背景には、大きなヘロインの利権が絡んでいました。

ジャックは、ステンズランドとバズが過去にロス市警の風紀課にいた当時に、ピアスを恐喝容疑で調べた報告書の記録を見つけます。

それはシドに娼婦との情事を写真に撮らせ、客をゆすっていた行為で、いつもと同じ手口でした。

そして、その時の二人の上司がスミスだったことを、ジャックはつきとめます。

ロロ・トマシのダイイングメッセージを残して。

真相を掴んだジャックは、上司のスミスのもとを訪れますが、逆に一瞬の銃弾に倒れます。

最後のダイイングメッセージ “ロロ・トマシ”

この意味不明なメッセージ “ロロ・トマシ”とは、エドが、警察官になった理由でした。

暴漢に襲われて殉職したエドの父親。その犯人はまだ捕まることなく、世間に紛れて、ほくそ笑んで生きている。“ロロ・トマシ”とは、その犯人を忘れないためにエドがつけた架空の名前でした。

ジャックの死の翌朝、スミスはエドに “ロロ・トマシ” を知っているかと尋ね、エドは、スミスに大きな疑惑を抱きながらも、知らないと答えます。

敏腕なロス市警も、闇の支配者の罠にはめられていきます。

そのころエドは、バドとリンの関係を探ろうとリンの部屋を訪れます。

リンは、娼婦ではなくひとりの女として愛してくれるバドへの好意を語ります。

エドは、リンから“あなたは仲間を裏切る小心者で出世欲のかたまり”と侮辱され、それが罠とも知らず、逆上したエドはリンと強引に関係を持ってしまいます。

その企みは、ピアスが指示したもので、スキャンダルのネタとして庭先にいるシドが容赦なくカメラのシャッターを押し続けています。

すでに、エドも罠に落ちていきます。

スミスとピアスとシドが仲間であり、つなっがっていた。

スミスは、真相が発覚することを恐れます。

スミスはシドと芝居をして、ジャックの死をピアスの犯行と見せかけます。同時に、リンと情事に及んだエドの写真を、巧妙な手口でバドに発見させます。

逆上したバドは、リンを訪ね、悲しさと怒りのあまり彼女に暴力を振るってしまいます。

直情型のバドは、怒りが最高潮となりエドに向かいます。

バドとエドの大乱闘の末に、エドの説明で、すべてがスミスの策略と陰謀であることを理解したバドは、エドと協力してスミスとの最後の戦いに挑みます。

シドは、演技と思っていた拷問で、スミスに口封じに、ほんとうに殺されてしまいます。 ピアスもジャック殺しの遺書を残して死んでいました。

どれもがスミスが仕組んだことで、エドとバドは、そんなことに騙されません。

エドとバド、正反対の二人が、協力して大きな闇を暴きますが。

決戦のビクトリアモーテル、息を飲む銃撃戦は圧巻。バドはエドをかばい銃弾に倒れます。

スミスは、昔、警察学校を首席で卒業し赴任した新米のエドに“きみのようなインテリが、更生の見込みのない悪人を背中から撃ち殺せるか”と戒め、刑事部への転属を渋る冒頭のシーンがあります。

エドはその言葉通りに、スミスを背中から容赦なく撃って射殺します。

エドは、全てはヘロイン利権をマフィアから牛耳ろうとするロス市警の腐敗が原因だったと説明します。

悔恨の念をしめす地方検事や警察本部長に、エドは、自身の刑事部長への昇格と引き換えに本件を永遠に闇に葬ることを約束。

一方、九死に一生を得た不死身のバドはリンと共に暮らすことを選びます。

解説/ここが見どころ!

バドとエドの間で、最期まで謎を残し続けたリンの存在は、正義の側でも悪の側でもない、勧善懲悪ではなくお互いを利用しながら、真実を闇に葬った終わり方は大人の味わいです。

・上昇志向を貫き、ロス市警の腐敗を暴き、昇格と名誉を選んだエドの生き方。

・リンに、こころの安らぎを感じ、共に生きていくことを選んだバドの生き方。

・そして、エンドロールのまさに最期に “名誉のバッジ” ジャック・ビンセントに捧ぐ。

とテロップが入ります。

エドやバドが刑事になった理由が語られる中で、ジャックだけが「忘れた」と答えます。

ケビン・スペーシーの軽妙な演技、そして“ロロ・トマシ”の死に顔の演技が心に残ります。

オープニングの軽妙なナレーションと、ご機嫌な音楽で構成されたこの映画。

降り注ぐ太陽が沈めば、漆黒の闇がある。シドのタイプライターの音で始まります。

映画『L.A.コンフィデンシャル』大人に贈るクライムミステリーの傑作です。

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.