映画『ゴッドファーザーⅠ』あらすじと解説|家族の愛と名誉の物語

家族の愛と名誉をかけた荘厳なオデッセイ。誇り、絆、愛、信頼、親子、兄弟、夫婦、組織、忠誠、戦い、安らぎ、隷属、裏切り、かけがえのないものを守るコルレオーネ・ファミリー。PARTⅠは、ヴィトーの家族とファミリー。そして後継者マイケルへの代替わりの戦いを描く。

ゴッド・ファーザーは3部作になっています。

PARTⅠは、

ニューヨーク五大マフィアのひとつコルレオーネ・ファミリーのドン、ヴィトーの時代に繰り広げられるマフィアの熾烈な覇権競いの中で、三男のマイケルが、思いとは裏腹に運命に翻弄されながら新しいドンとなり権力が継承されるまでの物語を描きます。

PARTⅡは、

ヴィトー・コルレオーネが、故郷のシチリアからイタリア系移民としてアメリカに渡り、貧しい労働者からコルレオーネ・ファミリーを築くまでの物語と三男のマイケルに代わりファミリーのキューバへの野望と家族の苦悩がパラレルに展開していきます。

PARTⅢは、

家族の幸せを求め、ケイや子供たちとの関係を修復しようとファミリーを非合法から合法なビジネスに変えようと死闘するマイケルの姿と、立ちはだかる政治やバチカンの伏魔殿のなか崩壊していく家族の最期を描きます。

登場人物

ヴィトー・コルレオーネ (マーロン・ブランド)
イタリア系移民でNY5大マフィアの一つ、コルレオーネ・ファミーリーの領袖。

ソニー・コルレオーネ (ジェームズ・カーン)
コルネオーネ家の長男。ヴィトーの跡継ぎの予定だが、激情型で短気な性格。

フレド・コルレオーネ (ジョン・カザール)
コルネオーネ家の次男。ラスベガスに修行、心優しい男だが気の弱い性格。

マイケル・コルレオーネ (アル・パトーノ)
コルネオーネ家の三男。軍隊の経験もあり、大学出で組織のビジネスを嫌う。

トム・ヘイゲン (ロバート・デュバル)
コルレオーネ家の養子。血のつながりは無く、ファミリーの専属の弁護士。

ケイ・アダムス (ダイアン・キートン)
マイケルの恋人。知的なアメリカ女性で、やがて結婚して2人の子どもを持つ。

コニー・コルレオーネ (タニア・シャイア)
コルネオーネ家の末娘。兄ソニーの紹介で、カルロと結婚するがうまくいかない

カルロ・リッツイ (ジャンニ・ルッソ)
コニーの夫。バルジーニの手先になり、夫婦喧嘩を装いソニーを罠にはめる。

ピーター・クレメンザ (リチャード・カステラーノ)

ファミリーの古参の幹部。肥満体で武闘派、三男のマイケルを可愛がり慕う。

サルバトーレ・テッシオ (エイヴ・ヴィゴダ)
ファミリーの古参の幹部。長身で功利的で、ドンの死後ファミリーを裏切る。

ドン・エミリオ・バルジーニ (リチャード・コンテ)
ニューヨーク5大ファミリーのひとつ、タッタリアを操る黒幕で麻薬利権を狙う。

ドン・フィリップ・タッタリア (ビクター・レンディナ)
タッタリアファミリーのドン、麻薬利権でコルレオーネと向き合い抗争になる。

バージル・ソロッツオ (アル・レッティエリ)
トルコ人の麻薬密売人で、タッタリアと結託し麻薬ビジネスをヴィトーに持ちかける。

モー・グリーン (アレックス・ロッコ)
ラスベガスを一代で築き上げた、カジノとホテルを経営するユダヤ人の実力者。

ドン・リオーレ・トマシーノ(コラード・ガイハ)
シチリアにいるドン・ヴィトーの旧い友人で、マイケルの逃亡生活を世話し匿う。

あらすじ

ゴッドファーザーと呼ぶとき、それは永遠の信頼と友情の証。

ニューヨーク近郊の広大な屋敷、ここでは盛大な結婚披露のパーティが行われています。

多くの来客が訪れ、故郷シチリアの民謡や戯れ歌、陽気な踊りとお酒や食事が振舞われ新郎新婦の二人を祝福します。新婦の名はコニー・コルレオーネ。ドン・ヴィトーの愛娘です。

今日はコニーの結婚披露宴、ドン・ヴィトー・コルレオーネは花嫁の父。

ヴィトー・コルレオーネはニューヨークの5大マフィアファミリーのひとつ、コルレオーネ・ファミーリーのドン、ゴッドファーザーです。

ドンの妻、子どもたち、ファミリーのビジネスに係わる部下たちやその家族、さらに来客には他のファミリーのボスや幹部に交じって、動静を探るFBIや報道カメラマンなどもいます。招かれざる客にいらつく長男のソニーはFBIに唾を吐きかけ、報道記者のカメラを叩き壊します。

ドン・ヴィトーの部屋には、さまざまな人間が現れ、相談を持ちかけています。

ドンと同じイタリア系アメリカ人のボナセーラが “殺しの依頼” に来ています。

ボナセーラはアメリカに移住し葬儀社の仕事をしており、美しい娘も自由に育ちました。しかしその娘が男友達から二度と見れない顔になるほどの乱暴と暴行を受けました。警察を通じ裁判になるも執行猶予の判決が下り、父親ボナセーラは警察や法の甘い裁きに納得できません。

ドン・ヴィトーに「殺してほしい」と仇討ちの相談をします。ドンは静かに男に話しかけます。

ヴィトーは、これまで自分をマフィアとして関係を持つことを敬遠し、友愛の情を見せなかったボナセーラの依頼を断ります。

“ドン・コルネオーネ” ボナセーラは、頭を下げ深く信頼と忠誠の意を表わします。

するとドンは娘の結婚式の祝いとして報復を受諾し、加減をわきまえるクレメンザに対処するように指示します。次の依頼は、ユダヤ系の議員に処理をさせるように指示します。ドン・ヴィトーの元には次々に、さまざまな相談が入ってくるのでした。

裏社会で栄華を誇るコルレオーネ・ファミリーと、異なる道を歩むマイケル。

軍服を着た若い男と、連れ添うアメリカ女性の二人のカップルがやってきました。

男の名はマイケル・コルレオーネ。ドンが可愛がる三男マイケルはファミリーのビジネスを嫌う堅気で、普段は家に寄りつきませんが、今日は恋人ケイを同伴し妹コニーの結婚祝いに来ました。

大きな庭園の木陰には凶暴そうな大男がぶつぶつとドン・ヴィトーへの挨拶の言葉を練習しています。気になるケイがマイケルに素性を尋ねると、彼は殺し屋で名前をルカといい、有名歌手の契約トラブルで、相手のこめかみに拳銃をあてて解決したとの逸話にケイは驚きます。

久しぶりに再会するマイケルの義兄のトムは相好を崩します。トムはソニーが連れてきてコルネオーネ家の養子で、血の繋がりはありませんが有能な弁護士兼相談役としてファミリーに貢献しています。

ほろ酔いで上機嫌の次兄のフレッドも、久しぶりのマイケルとの再会を喜びます。

兄弟たちはみなファミリーのビジネスを手伝いますが、マイケルだけは違います。ファミリーのビジネスは殺しも含め様々な依頼に対応し報酬を得て、政治や芸能などの人脈を拡大しながら裏の世界で非合法に権益を拡大しています。

賭博、芸能、政治家までも押さえる、コルレオーネ・ファミリーの影響力は絶大です。

政治家や検事などからの祝電が数多く届く中、ハリウッドの有名歌手ジョニー・フォンテーンが駆けつけました。若い女性たちが歓声を上げるなかジョニーはお祝いの歌を捧げ、新婦コニーはジョニーの祝福を独り占めにします。

ジョニーもドンに相談事を持ち込みます。人気が陰るジョニーは、素晴らしい台本があり何とか役を勝ち得てカムバックしたいと考えますが、敏腕プロデューサーのウォルツが首を縦に振らず困っています。理由は、ジョニーがウォルツが育てる新人の金の卵の若い女性を寝取ったからでした。

落ち込むジョニーに、ドン・ヴィトーは役がもらえるようにすると約束します。

宴もたけなわに、花嫁の父ヴィトーは娘コニーとダンスを披露します。

それは栄華をきわめ家名を誇り繁栄するコルレオーネ・ファミリーの晴れ姿でした。

ドンの命を受けトムはさっそく映画の仕事をまとめにカリフォルニアに飛びます。プロデューサーのウォルツとかけあいますが、話し合いでの進展は有りませんでした。夜明け時、ウォルツの愛する名馬の首がねられ、彼のベッドの中に投げ込まれます。

目覚めたウォルツは狂わんばかりの悲鳴を上げます。そして無事、ジョニーは役にありつくことができたのでした。

ドン・ヴィトーは狙撃され危篤状態となり、暗黒街に激震が走る。

次の案件は、トムに入ったソロッツォの面談依頼です。

ソロッツオは通称 “トルコ人” と呼ばれるヘロインの売人。ヘロインの市場を拡大すべくドン・ヴィトーとパートナーを組みたいとの相談です。彼の要請はコルレオーネ・ファミリーからの資金の融資と警察からの保護、彼のバックには5大ファミリーのひとつタッタリア・ファミリーがついてます。

ドンは麻薬を扱うかどうかについて意見をソニーとトムに求めてみます。ソニーは金になるからと言い、トムもこれからは薬を押さえないと存亡に関わると言います。

ヴィトーは部下とともにソロッツォの面談に応じますが、話がうまくできすぎていると直感します。これまで培った政治家などの人脈が離れていくのを懸念します。「タッタリア・ファミリーが保証してくれるなら大丈夫だ」と横から口を出す長男のソニーをたしなめます。

ドンは麻薬取扱いを誘うソロッツオに対して、政治家との信頼関係を理由に断ります。

ドンはルカをおとりにタッタリアのもとに潜入させ、内状を探るように指示します。しかしルカは囮を見破られてソロッツォとタッタリアの息子ブルーノに逆に殺されてしまいます。

街はクリスマスで賑わい、人々は家路を急いでいます。

ドン・ヴィトーは、果物屋の前で何者かに数発の銃弾を撃ち込まれ倒れます。いつもの護衛は風邪で休み、代わりに次男フレドが傍についていましたが、ドンを守ることができませんでした。時を同じくしてプレゼントを片手に家路を急ぐトムは、ソロッツォに捕えられ軟禁されます。

ドンを襲撃したのはソロッツォの一味でした。ソロッツオは和解のための仲介と麻薬ビジネスに乗り気なソニーとの再会談をトムに迫ります。そして仕方なく了解するトムを開放します。

その頃、ケイとクリスマスのデートを楽しむマイケルは “ゴッドファーザー暗殺” の新聞記事を見て驚き、急いで家に戻ります。ドンは5発の弾丸を受け病院に担ぎ込まれ危篤状態でした。

軟禁を解かれ戻ったトムは、ソニーから「パパが死んだらこの先どうなるか?」と問われ、ファミリーの勢力の影響分析やタッタリアと向き合った場合の他ファミリーの動向予測を行います。

父の命を守るため、殺人を犯すことを決意するマイケル。

重体を心配するファミリー、マイケルと会えないクリスマスを淋しがるケイ、マイケルはケイに会いに街に出て食事をして「当分会うことはできない」と伝え、一人、父親に会いに行きます。

病院では、部下たちの警備は追い払われており、ヴィトーは無防備な状態でした。

刺客の手が迫るなか、一計を案じたマイケルは病室を移動させます。マイケルは昏睡状況の父に「大丈夫だ、僕がついてる。心配ないよ、僕がいる」と話しかけます。ヴィトーはうっすらと目を開き、そこにマイケルを確認し涙ぐみます。

マイケルは病院の入口で、見舞いに来たパン屋のエンツォと共にボディガードを装い、何とか急場をしのぎ守り抜きました。そこにマクラスキー警部が現れます。マイケルはヴィトーの警固保護を主張して、ソロッツオとの関係を疑ります。

警部はマイケルを殴り倒します。トムが裁判所の銃保持許可をとり駆けつけ何とか難を免れます。この件に激怒したソニーは、タッタリアの息子ブルーノを殺してしまいます。ソロッツオは手打ちを求めてきます。会談の相手にはマイケルを指名します。

ソニーはその手には乗らないと言い、ソロッツオを消し全面戦争もいとわない構えです。トムは状況を分析します。悪徳警官のマクラスキー警部はソロッツオに買収されていて手を出せない状況で、万が一、警官を狙えば社会の風当たりも強くなり懇意の政治家も離れていくと言います。

トムは「感情に走らずに冷静になってくれ」とソニーを諭します。激情型のソニーは我慢がなりませんが、最後はトムの説得に応じて冷静さを取り戻します。

ところがマイケルは「ソロッツオも悪徳警官も殺すべきだ」と主張します。

マイケルは会談場所を突きとめ、銃をあらかじめトイレに隠し食事の途中でトイレに行き、銃を携え席に戻り二人を殺すという計画を披露します。

長兄のソニーやクレメンザ、テシオなどの古参も、最初はマイケルの計画を一笑しますが、それが真剣なことを尊重します。マイケルを可愛がるクレメンザは、マイケルを誇りに思いその勇気をたたえます。

ブルックリンのルイズレストランで会談、との情報が入りその時がやってきます。マイケルは段取り通りにトイレに立ち、銃を携帯して戻り、ソロッツオとマクラスキー警部を射殺します。

こうして引き返すことのできない運命の橋を、マイケルは渡ってしまうのでした。