映画『ティファニーで朝食を』あらすじと解説/ここが見どころ!

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解説>ニューヨーク五番街、ティファニー。早朝、クロワッサンとコーヒーを手に佇む黒いドレスの女性。あまりに有名な映画のオープニングシーン。自由奔放に生きるホリー。美しいオードリー・ペプバーンの全てを余すところなく魅せる、映画史上の不朽の名作。

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登場人物

ホリー・ゴライトリー (オードリー・ヘプバーン)
金持ちとの豪華な暮らしを夢見てニューヨークに出てきた自由奔放な女性。
ポール・バージャック(ジョージ・ペパード)
作家志望の青年、通称2Eという女性の愛人として金銭の援助を受ける。
ユニオシ(ミッキー・ルーニー)
ホリーと同じアパートの階上に住む日系の芸術家カメラマン。
フェーレンソン (パトリシア・ニール)
インテリアの装飾家でポールを金銭的に援助する裕福な婦人、通称は2E。
ドク・ゴライトリー(バディ・イブセン)
ホリーの夫、卵泥棒をしていた貧しいホリーを14歳の時、後妻に迎えた。
O・J・バーマン(マーティン・バルサム)
ハリウッドの芸能エージェントでホリーを女優目指し育成したことがある。
ホセ・ダ・シルヴァ・ペレイラ(ホセ・ルイス・デ・ヴィロンガ)
南米の名家の出身で大富豪、ホリーと交際するが世間体を気にする。
ラスティ・トローラー(スタンリー・アダムス)
50歳以下のアメリカ長者番付で9位の金持ちで、ホリーが狙いをつける。
サリー・トマト(アラン・リード)
シンシン刑務所にいるマフィアの大ボス、週1回ホリーと面談する。

あらすじ(ネタバレあり)

ニューヨークに、豪華な暮らしを夢見るホリーという女性がいた。

早朝、ニューヨークの五番街を走るイエローキャブ。

ティファニーに降り立ち、クロワッサンとコーヒーを手にショーウィンドウを眺める黒いドレスの女性。彼女の名前は、ホリー・ゴライトリー。

今日も、ホリーは朝帰り、昨夜のパーティのお相手を放り出してアパートに帰ってきた。
アパートの前で待ち伏せする紳士は、ホリーを追いかけるがうまくあしらわれる。アパートの階上では、日系人の芸術家ユニオシが、今日も睡眠を邪魔されて文句を言う。

ニューヨークのアパートに住むホリーは、華やかな世界に憧れ、自由気ままに生きる女性。

そこに上の部屋に引っ越してくる予定の駆け出しの作家ポールが、電話を借りに現れる。

ホリーの部屋は、ほとんど荷物が無く、飼っている猫の名前すら無い。時々、不安な気持ちに襲われ、
そんな時にはティファニーに行って気晴らしをするという。

今日が、木曜日だと知ると、シンシン刑務所の面会日と気づき、慌ただしく外出の装い支度を始める。
面会の相手は“サリー・トマト”、マフィアの大ボスだが、ホリーには優しいおじいちゃん。

怪しい弁護士から週1回、トマトに会って励ましてくれれば、100ドル貰えることになっている。
そして合言葉のような“天気予報”を確認し弁護士に連絡する枠割だった。

例えばサリーが“キューバは嵐”と言えば、それを弁護士に伝える。ポールは、話を聞いて危険かもしれないので気をつけてと忠告する。

シンシンに向かうべくタクシーを止めるが、入れ替わりに女性が降りてくる。裕福な装飾家のフェーレンソン夫人で通称2E、彼女はポールを可愛がっているようだった。

ホリーは、同じアパートに越してきたポールと意気投合します。

今宵も、ホリーを追いかけて男がやって来る、ホリーは非常階段をつたい逃げ出して、階上のポールの
部屋を窓から中を覗く。2Eがいてポールと愛人関係で、ポールはどうやら若いツバメのようだった。

2Eが帰るのを確認し、ホリーはポールの部屋に入り、弟のフレッドに似ているポールに好感を持つ。
ポールは作家というが、過去に1冊だけ“9つの生き方”を出版し、それ以降は、書いていないようだった。

ポールがいろいろとホリーを詮索するので、彼女は怒って帰ってしまった。ホリーは、人に束縛され干渉されることだ大嫌いだった。

ポールは、そんな自由奔放なホリーに興味を持ちはじめる。

パウダールームに行くと50ドル、シンシンへマフィアと面会、天気予報を合言葉に危ない連絡役を気にせず行う、などおもしろい話を聞く。

ホリーは自身の身の上話をする。弟のフレッドが除隊したらメキシコに一緒に行き馬を飼いたいと夢を語る。そして明け方近くになりポールの傍で眠る。ホリーは夢の中でうなされているようだった。

その夜、ホリーは、昨夜のお礼にとポールをパーティに招待する。

部屋には、人気者のホリーに興味を抱くいろいろな人間たちが集まっていた。

ホリーを発掘し女優に育てようとしたハリウッドの芸能エージェントのO・Jは、育成中のホリーが、ふいとニューヨークに自分探しの旅に消えたことに呆れたという逸話をポールに話す。

ホリーの社交は賑やかに続く、南米のハンサムなホセと “50歳以下の長者番付で9位の大金持ち”のちびなラスティ。ホリーは目ざとくラスティにアプローチを開始する。

あまりのパーティの騒がしさに、ユニオシの通報で警察がやってきる。

ホリーはラスティと抜け出し、ポールとホセも非常階段をつたい逃げ出す。

ポールは、自由奔放で純粋なホリーの考え方に興味を持ちます。

ホリーはポールと連れ立ってシンシン刑務所にサニー・トマトの面会に行きます。今日の天気予報は、
“ニューオーリンズは週末、雪模様”。ニューオーリンズは雪は降らないのにと、いぶかしがるホリー。

ポールは、忘れかけていた小説を、ホリーを題材に書き始めます。

小説の表題を“マイフレンド”として“とても可愛らしく、とても怖がりな女性が、名前の無い猫と一緒に一人で住んでいました”と続けます。

階下には、ホリーが窓辺に腰掛け「ムーンリバー」をうたっています。それはまるで、ホリーの心情を
伝えているようでした。

ある日、2Eが訪れ、アパートの外に怪しい男が2日続けて立っていると言います。

不審に思ったポールは、彼を公園におびき寄せます。驚いたことに、男はホリーの夫で、ゴライトリーといいテキサスで獣医と農場を営んでいるとのことでした。

ゴライトリーは、ホリーのことを語り始めます。

ホリーの本名はルラメイ、14歳で後妻として、自分に嫁いだとのこと。

そのころのホリーは弟のフレッドと卵泥棒をしてやせこけていた。そのあと、後妻に迎え、何不自由なく暮らしたが、何の理由も無く家出をした。弟の除隊の知らせが来てホリーを連れ戻そうとニューヨークにやってきたとのことでした。

ゴライトリーはスナック菓子を食べながら話します。その中にあった景品の“おまけの指輪”を何気なく
ポールはポケットにしまいます。

ポールは、ゴライトリーに頼まれて、ホリーとの仲介を引き受けます。

ホリーは驚き、そして元の夫との再会を懐かしがります。しかし、一緒にダラスに帰ろうと言われても、ホリーは帰らないと答えます。自分は、すでに離婚をしたと思っていると言います。

野生の動物と同じようにカゴや檻の中で飼育することはできず、自分も自由に生きていくといいます。

彼女の強い思いは変わりません。「愛しているけれど、もうルラメイじゃない」ホリーは涙を浮かべ、
別れを告げゴライトリーの帰るバスを見送ります。

ポールは、ホリーのことを次第に深く恋していきます。

それでも ゴライトリー と別れた寂しさや孤独で、ホリーはポールを連れ立って深酔いをします。

心機一転、大金持ちのラスティーとの結婚を計画し、弟を迎えようと考えます。生きていくためにお金が必要だと言います。ホリーは、説教臭いポールに「自分も女に金を貰っているくせに」と侮辱します。

翌日、ポールは小説の原稿料が50ドル入り、喜びます。

ホリーに知らせようとドアのベルを鳴らす。足下に届いている朝刊を開くと、“大富豪のラスティが4回目の結婚をした”ことが一面で報じられていました。

70万ドルの借金まみれとも報じられており、ホリーは、ラスティには興味が無いとあっさり言います。

ポールは手にした50ドルで祝おうと提案します、ホリーは、快諾し、今までで初めての体験のみをしてみましょうと、二人で五番街に繰り出します。

そして、まずは憧れの“ティファニー”に着きます。

ポールはホリーに何かプレゼントをと話し、ホリーは10ドルの予算の範囲とします。

高級な宝飾店のティファニーにはその予算の商品を探すことが難しい。店のスタッフは“純銀の電話のダイヤル回し6ドル75セント”をすすめますが、ふたりはロマンチックではないと却下します。

そこでポールはゴライトリーと会ったときの“菓子のおまけの指輪”に、記念にイニシャルを掘ってもらえないかと頼んでみます。

少し難色を示したティファニーでしたが了承されました。ホリーはティファニーの寛容さに感激します。

二人はお洒落な通りを散策します。ふたつ目の初体験は、ポールが良く利用するニューヨーク公立図書館。ポールの著述した“9つの人生”も蔵書されていました、驚くホリー。

3つ目の初体験は、優等生のポールの番です。ホリーは万引きを提案します。雑貨店で、店員が監視する中で、犬と猫のお面をひとつづつ盗んで、そろりと店を出ます。

お面のまま二人はキスを交わします、ポールにとってホリーはかけがえのない人になっていました。

ホリーは、ホセと結婚しブラジルに住む準備をはじめています。

翌日、ポールは2Eとの関係を解消することを決意します。

婦人は、労働の対価だと言って1,000ドルの小切手を切って冷却期間を置こうと提案しますが、ポールはその屈辱的な申し出を断り別れます。

ポールは、“おまけの指輪”の刻印の仕上がりを取りに、ティファニーに行きます。

ホリーの家に向かいますが、彼女はいませんでした。捜し歩くとホリーは図書館で、なにやら南米の本を読み漁っていました。

ポールはホリーへの愛を伝えますが、ホリーは南米のホセと結婚すると言います。

いつまでも現実を直視しないホリーに、ポールは原稿料の50ドルをパウダールーム代として渡し怒って帰ってしまいます。

ある日、ホセと同伴し帰宅したホリーに手紙が届いていました。それは、弟が死んだという報せでした。
最愛の唯一の肉親のフレッドを失い、ホリーは、取り乱し手のつけられないほどに泣きじゃくります。

それでも、ホリーはブラジル行きの準備を着々と進めています。ホセへのセーターを編み、部屋の中は、南米のイメージに変わり、語学テープでポルトガル語の猛特訓中で大忙しです。

ホセからの求婚はまだだが、向こうで結婚式を挙げるだろうと、ポールに話します。

これまでのお礼にと、ポールを部屋に招き手料理を振舞おうとしますが、お鍋が噴きだし料理が台無しに。二人は、5番街に食事にでることにしました。

ホセとの破局と、ほんとうの愛で結ばれるホリーとポール。

部屋に戻ると、突然、二人は、警察に手錠をかけられ逮捕されてしまいます。

麻薬組織のボスのサリー・トマトの一件で、ホリーは伝令役との疑惑でした。記者が大挙し、ホリーは質問攻めにあいます。ホリーはただ“天気予報”を伝えただけと答えます。あの怪しい弁護士もマフィアの一員でした。

翌日の新聞には、“サニートマトのトマト(女)逮捕”と一面でホリーのことも報じられます。

ポールはO・Jに連絡をとります、既に状況を把握していたO・Jは弁護費用を払って、ホリーの釈放に尽力することを約束します。O・Jはホリーを「変な女で食わせ物だが、純粋で魅力がある」と言います。

釈放されたホリーは、ブラジルのホセに会うためにタクシーで空港に向かいますが、ホセからの手紙には「自分の名誉や地位では、このような事件を起こされては、妻として迎えることはできない」と断りの趣旨が書いてありました。

それでもホリーはブラジル行きを決行し、ブラジルの長者番付50位までのリストを送ってくれとポールに頼みます、ホリーは、悔しさとやせ我慢でいっぱいです。

ポールは、ホリーに愛していると伝えますが、ホリーは「カゴの中に縛られるのは嫌だといい、自分は、ホリーでもルラメイでもなく名前の無い猫と一緒で、誰のものでもない」と言い放ちます。

そしてタクシーから猫を放り出してしまいます。土砂降りの中、猫は途方にくれ鳴いています。

たまりかねたポールはタクシーを降り「自由に固執しているきみは、自分でつくったカゴに入ったままの意気地なしだ、どこに逃げようとそのカゴはついていく、結局はそこに逃げ込むんだ」とホリーに伝えて去っていきます。

別れ際に、ポールはティファニーで刻印した指輪を、もう不要だと言って渡します。

ポールの愛を失い、一人ぼっちになったホリーは、ほんとうの愛の場所を始めて知ります。

タクシーを降りて、猫を探すポールのもとへ行き、雨の中を“名前の無い猫”を呼んで探し続けます。
片隅に隠れる猫を抱き上げ、ポールに歩み寄るホリー。

激しい雨に打たれながら、二人は固く抱き合いキスを交わし、かけがえのない恋人として結ばれます。

解説/ここが見どころ!

ブランドとは何か、うれしいティファニー店のスタッフの話

映画のオープニングシーンで、ティファニーは、ホリーにとって憧れと野心の象徴として描かれます。

世界中の誰もが知る、ラグジュアリーブランドのティファニー。

50ドルの原稿料が入ったポールは、ホリーを誘って五番街のティファニー本店へ向かいます。彼女へのプレゼントの予算は10ドルと決まりましたが、その額ではなかなか買えるものがありません。

思案したポールは、スナック菓子のおまけの指輪を出して刻印してほしいと頼みます。

店のスタッフは、

時が流れても変わらぬ物には温かな気持ちを覚えます。

彫ってくれるの?プライドは傷つかない?と訊ねるホリーに

今回は、特例としましょう。ティファニーは理解があります。イニシャルを入れて、明朝にはお渡しできます。

と答えます。ホリーは感激します。

このくだりは、何かとても気持ち良くすがすがしい思いがします。

ブランドとは、そも刻印という意味もあります。フランスの哲学者であり思想家でもあるジャン・ボードリヤールが記した「消費社会の神話と構造」の記号論は、確かにその通りですが、この作品は、それよりも大切な“ロマンティック”を優先しました。

だからこそ、この映画そのものがブランド価値を高めています。

永遠に語り継がれる、ファッショナブルな映画としての魅力

カポーティの原作は、もっとドロドロしたものですが、映画は原作とは違うものとして仕上がりました。そしてこの映画が醸し出すおしゃれな世界は、永遠に語り継がれています。

その功績は、主役のホリー・ゴライトリーを演じたオードリー・ヘプバーンの存在が大きな役割を担っています。当時のハリウッドの女性美は金髪でグラマーな女性。最初にホリーのオファーが、マリリン・モンローであったことでも、それは証明されます。

しかし実際のキャスティングは、オードリーでした。当時32歳。

スレンダーな身体にジパンシーの黒のカクテルドレス、パールのネックレス。象徴的なスタイルです。
さらに、大きなリボンがあしらわれたつばの広いハット、街を歩きティファニーを訪れるときのオレンジのスタンドカラーのコート、オリバー・ゴールドスミスのサングラス、店内でお面を被るシーン。

永遠の名曲となったジョニー・マーサー作詞、ヘンリー・マンシーニ作曲の挿入歌「ムーンリバー」。
オープニングシーンの強い印象はこの音楽によるところが大きく、また、ポールのタイプライターと重なりオードリー自身の声でギターの引き語りのシーンも見果てぬ夢を追いかけるホリーを心象を描きます。

2017年11月にティファニー五番街本店4階に「The Blue Box Cafe」がオープン。

壁やソファはティファニー・ブルー、テーブルにはシルバーのインテリア。食器もティファニーで統一されたカフェが誕生。窓からはフィフスアベニューやセントラルパークの眺めが楽しめます。

メニューには「Breakfast at Tiffany」があります。

ブレイク・エドワーズ監督
映画『ティファニーで朝食を』1961年公開のアメリカ映画
甘美な音楽とファッションに包まれオードリー・ヘプバーンが最も美しく輝く名作です。